【大分】シャーマンキング作者協力 玖珠舞台の漫画配信
「シャーマンキング」などの作品で知られる漫画家・武井宏之さんが、大分県玖珠町を舞台に描き下ろした電子コミック「イベンチュア―KURUSHIMA BOOK―」の無料配信が始まった。町出身の稲葉孝政さん(67)が代表を務めるITコンサルティング会社が、同じく町出身の児童文学者・久留島武彦(1874~1960年)の生誕150年を記念した地域おこしプロジェクトを企画。趣旨に賛同した武井さんが協力を買って出た。
町内の名所登場
「イベンチュア」(63ページ)は母親の出身地、玖珠町を訪れた主人公の少年が立ち入り禁止の「秘密基地」で久留島と出会い、「良いココロ」がたくさん詰まった童話に触れる物語。
国登録有形文化財の旧豊後森機関庫をはじめ伐株(きりかぶ)山、久留島の銅像がある三島公園といった町内の名所に加え、久留島が尊敬してやまなかったアンデルセンも登場する。「イベンチュア」はアンデルセンが生まれたデンマークの言葉で「童話」を意味するという。
完成した作品は武井さんら関係者の協力を得て、50を超える漫画配信サイトを通じて4月22日に無料配信を開始した。
多くの人に町を知ってもらいたい
稲葉さんが率いるT&Sグループは東京・渋谷などのほか、玖珠町が廃校になった中学校に設けたサテライトオフィスにも拠点を構えている。久留島の生誕150年をきっかけに、より多くの人に町を知ってもらいたいと、スマートフォンで手軽に楽しめる電子コミックの制作を企画した。
稲葉さんによると、無料配信を始めたサイトの会員数は延べ約6000万人に上るという。
プロジェクトでは、5月5日に町内で開かれる「日本童話祭」に合わせて現地で遊べるスマホゲームの無料提供も始める。ゲームはクイズ形式で、童話「桃太郎」を題材にしている。
このほか、スマホでAR(拡張現実)が楽しめるスポットの開設(無料)や、キャラクターグッズの販売などを予定している。
稲葉さんは「プロジェクトを通じてたくさんの人が玖珠を訪れ、楽しく学び、遊んでもらえたらうれしい」と話している。
問い合わせは「パラディッソおおいた」コールセンター(050-5530-0335)へ。