【鹿児島】ウクライナの郷土料理を商品化 避難者支援へ
母国の味「バレニキ」
ロシアのウクライナ侵略を巡り、鹿児島県内に避難したウクライナ人を支援しているフードバンクがギョーザ専門店と協力し、同国の郷土料理「バレニキ」を商品化した。避難者のレシピを基に再現した本格的な一品。3月から販売が始まり、売り上げの一部は避難者支援にあてられる。
一般社団法人「県フードバンクセンター」(鹿児島市)は昨年3月から、県内約20人の避難者に食料を届ける支援を行っている。戦争の長期化によって継続的な支援が必要となっており、支援費用の捻出とウクライナの食文化に触れてもらうきっかけ作りとしてバレニキの販売を企画した。
水ギョーザに近い
バレニキはマッシュポテトなどで作る具を小麦粉で作った皮で包んでゆでた代表的な郷土料理。バターやサワークリームをつけて食べるという。水ギョーザに近いが、具にひき肉は使わない。
昨年3月から家族で鹿児島市に避難しているオレナ・カミンスカさんがレシピを提供し、鹿児島市のギョーザ専門店「ビッグファイブ」と協力して商品化にこぎ着けた。皮に米粉を混ぜてもちもちした食感にし、具にベーコンを混ぜるなどして日本人好みの味に仕上げた。オレナさんも「本物にとても近い味。ぜひ食べてみてほしい」と話す。
3月6日にはオレナさんや避難学生を受け入れている原田学園(鹿児島市)の担当者らに完成した商品が手渡された。今後は九州の避難学生にも届ける計画だといい、県フードバンクセンターの村上光信理事長は「みんなの思いが詰まった一品。古里の味を届けていきたい」と話している。
イベントやオンラインで
商品化した冷凍バレニキは15個入りで税込み500円。18、19日にJR鹿児島中央駅前のAMU広場で開催されるギョーザイベントを手始めに販売を行い、その後はビッグファイブのオンラインショップや直売所で販売する。問い合わせは同社(099-210-2002)へ。