【鹿児島】学生らのロケット 4号機打ち上げ成功ならず…
鹿児島大の学生らが製作した小型ロケット「鹿児島ロケット4号機」の打ち上げ実験が3月15日、鹿児島県肝付町の辺塚海岸で行われた。機体は発射された直後に回転し、近くの砂浜に落下。目標の高度に届かず、失敗に終わった。
4号機は全長2.6メートル、重さ20キロ。液体酸素と固体燃料で推進力を得るハイブリッド型で、高度2キロまで上昇し、近海に着水する予定だった。
この日は打ち上げ時刻が4度延長され、予定の約1時間10分後となる午後3時40分、カウントダウンに合わせて点火された。機体は高度75メートル付近まで上昇したが、軌道をほぼ水平に変えた後に回転し、発射台近くの砂浜に落下した。
原因突き止め「5号機」へ
実験を行った鹿児島大の片野田洋教授によると、機体の先端に設置したパラシュート格納部分の扉が発射台の近くに落ちていた。本来は気圧の変化で開くはずの扉が、予定より早く開き、パラシュートが膨らんだのが、失敗の原因とみられるという。
片野田教授は「回収した機体などを分析し、扉が早く開いた原因を突き止め、5号機の打ち上げに挑みたい」と次の実験に意欲を示した。
観覧席から見守っていた同町岸良の男性(74)は「失敗は残念だが、負けずに挑戦を続けてほしい」と話した。
鹿児島ロケットの発射実験は、鹿児島大や第一工科大、地元企業などでつくる「鹿児島ハイブリッドロケット研究会」が2019年に始めた。機体の宇宙空間への到達を目指している。