【宮崎】離島の家庭の味「鯛茶漬け」商品化 延岡・島浦島
宮崎県延岡市の離島・島浦島の漁業者らでつくる島野浦地区離島漁業再生協議会が、ご飯にのせるなどして楽しめる冷凍の「しまんだの鯛(たい)茶漬け」を商品化した。鯛茶漬けはマダイの切り身を甘辛いしょうゆベースのたれに漬け込んだ地元の家庭料理といい、協議会の木下拓磨会長は「広く食べてもらい、島の魅力を知ってほしい」と話している。
カルパッチョにも
同協議会によると、島浦島の家庭では昔から鯛茶漬けが食べられている。由来には諸説あり、江戸時代に延岡藩の藩主らが島を訪れた際、鯛料理を献上し、家庭に定着していったとの説が有力だという。
商品化した鯛茶漬けは島周辺の養殖場で約3年かけて育てた1匹2キロ以上のマダイを使用。真空包装して冷凍しており、解凍してご飯にのせたり、トーストに添えたりするほか、カルパッチョにも使いやすい。島の周辺は潮の流れが速いためマダイの身が締まってくさみがなく、鯛茶漬けのタイは水揚げ後すぐに加工することで歯応えのある食感になっているという。
島の知名度向上へ
協議会は2020年、延岡信用金庫(延岡市)やしんきん地域創生ネットワーク(東京)と鯛茶漬けの開発に着手。宮崎空港ビル売店での試験販売などを経て今年1月、正式に販売を始めた。製造は島浦町漁業後継者部が担い、年1200食分の製造を目指す。
同部の部長でもある木下会長は「鯛茶漬けをきっかけに島産のカンパチやシマアジ、イワシなどを使った商品化を考えてブランド確立を目指し、島の知名度を高めたい」と話している。
しまんだの鯛茶漬けは1食分(100グラム入り)が宮崎空港ビル売店で販売されているものは税込み1190円、道の駅北川はゆま(延岡市)では同1080円。問い合わせは協議会のメールへ。