【宮崎】道の駅「都城ニクル」 開業1か月で20万人超
「肉と焼酎のふるさと」を打ち出す都城市が、市の新たな魅力発信の拠点として整備した道の駅「都城NiQLL(ニクル)」の開業から1か月たった。すでに年間目標の5分の1に当たる20万人を超える人が訪れている。かつて同じ場所にあった旧道の駅から、特産品や土産物などを扱う直販所だけでも売り場面積が約2.5倍に増えるなど魅力を増した新しい道の駅を巡ってみた。
肉、焼酎…食の宝庫前面に
ニクルは宮崎自動車道・都城インターチェンジ(IC)から約2キロの都城市都北町に4月22日にオープンした。都城IC―志布志港(鹿児島県志布志市)間を結ぶ計画の「都城志布志道路」の整備も近くで進むなど、交通利便性の高い場所であることもあって、駐車場に到着すると宮崎だけでなく福岡、大分、鹿児島など県外ナンバーの車も目立つ。
館内に入るとまず、壁沿いに木製の箱が並んだインフォメーションコーナーが目に留まる。箱の中には地元の産品が並んでいる。「肉や焼酎だけでなく、マンゴーや乳製品など、施設で取り扱っている商品の全容を伝える場です」。運営会社「ココニクル都城」専務の東安幸さんが笑顔で教えてくれた。コーナーの横には「都城大弓」など地元の工芸品も並ぶ。
先に進むと焼酎ビンがずらりと並ぶ直販所が見えてくる。直販所の床の高さは、インフォメーションコーナーなどがある手前の場所より約60センチ低くなっており、館内に入ってきた人たちが奥に広がる直販所全体を一望できるよう工夫されている。奥に精肉コーナーがあるのも見える。
直販所で取り扱うのは土産物や総菜、都城産の牛肉、豚肉、野菜類など約4000点。旧道の駅から倍増したという。大手焼酎メーカーがあり、市町村別の農業産出額は日本一(2021年)という国内有数の食料供給基地の市内の産品の豊富さをうかがわせる。フロアは買い物客であふれていた。
四つのカフェ
直販所を囲むように、四つのカフェが並んでいるのもニクルの特徴だ。芋カフェ「Oimo.(オイモドット)」、フルーツカフェ「Bontino(ボンチーノ)」など、芋、フルーツ、焼酎、肉をそれぞれテーマにしたカフェという。
スイーツ好きなこともあり、芋とフルーツの二つのカフェを訪れてみた。地元で生産が盛んな芋焼酎の原料となるサツマイモにちなんで出店したという芋カフェは、どら焼きやプリンなど芋を使った20種類以上のスイーツが並ぶ。一番人気は生地に芋を練り込んだ「やきいもチーズケーキ」(350円、税込み)で、連日、正午前には売り切れるという。
一方、フルーツカフェは、都城産のイチゴやブルーベリーなどを使ったジェラートがイチ推しとのこと。シングル(450円、税込み)、ダブル(500円、同)などから選べ、イチゴとピスタチオのダブルのジェラートを食べてみるとなめらかな口当たりで、ほどよい甘さが口いっぱいに広がった。
霧島連山の眺望も
館内にはほかにも、料理教室や燻製(くんせい)体験などができるキッチンスタジオ(約30人収容)、木製の大型滑り台や絵本などを備えた「木のゆうぐ広場」、宮崎牛を食べられるレストランなどがある。東さんは「買い物だけでなく、滞在型で、ゆっくりくつろげる場として親しんでほしい」と話した。
建物には多くのガラスが使われ、ガラス越しに霧島連山を望むことができる場所もある。旅の疲れを癒やす場などとして訪れる観光客のみなさんはもとより、憩いの場として地元の人も足を運んでみてはどうだろうか。問い合わせは同道の駅(0986-38-5125)へ。