【佐賀】新日本プロレス×唐津市 観光PR事業“第2章”へ
人気プロレス団体「新日本プロレスリング」が佐賀県唐津市のPRに取り組む市の事業が今年度も行われる。昨年度にスタートした異色の観光プロモーション事業。人気レスラーらが出演する動画やミュージックビデオの総再生回数は180万回を超え、「唐津を知らなかった方を含め全国に広くアピールできた」と峰達郎市長は胸を張る。今年度はかかわるレスラーがさらに増え、事業内容も「深化」しそうだ。
市長手応え
アントニオ猪木さんが設立し、今も幅広い人気と知名度を誇る団体。市によると、新日プロが自治体のプロモーションにかかわるのは、中越地震の復興支援や所属選手ゆかりの地などでは前例があった。「縁もゆかりもない自治体では初めて」と峰市長。「それだけに、『何で新日とできたと』と驚きをもって好意的な反応を多くの市民からいただいた」と振り返る。
新日プロのシンボルマークをベースにして制作したコラボ事業のロゴは「デザインが秀逸」と注目を集めている。峰市長もロゴをあしらった名刺大のシールを配るなどして率先してアピールしてきた。
マンホールのふたが「聖地」に
また、唐津市文化体育館前に昨年12月、コラボ事業と新日プロのロゴとをあしらったマンホールのふたを設置したところ、見学者が相次ぎ、「聖地」となっている。ふたは、所属するグレート-O-カーン選手が発案し、実現したものだった。
昨年度の事業費は約3000万円。今年度は一般会計当初予算で約3600万円を充てる。新日プロのスマホアプリゲームに、所属選手が訪れた唐津市の観光地が登場▽同社関連会社に所属する人気声優・相羽あいなさんらと唐津を巡るファンツアー(8月12、13日)▽昨年末に続く新日プロ唐津大会の開催――など、いっそう連携を深め、練られたコンテンツとなっている。
5月上旬、今年度の事業展開を発表する市内での記者会見に、市は新日ファン50人を招待した。異例の対応でSNSなどでの情報拡散を図った。熊本県から訪れた会社員女性(40歳代)は、会見に臨んだ棚橋弘至選手を応援している。「ファンサービスがすごい人。参加できてよかった」と唐津来訪を喜んでいた。
選手も意気込み
所属選手の感度も高い。スイーツ好きで知られる真壁刀義選手は初めて唐津市を訪れた。ご当地の菓子「けえらん」をほおばり、「しつこすぎないアンコがちょうどいい。ほどよい甘さでくせになる」と即興で評する達者なリアクションで会場を沸かせた。
昨年度からコラボ事業に中心でかかわる獣神サンダー・ライガーさんは「昨年末の唐津大会の雰囲気が素晴らしく、とても印象に残った」と会見で振り返った。「唐津に来てくれてありがとう」と看板が立っていたことに感激し、「こっちこそ感謝している。プライベートでも好きだった唐津の名を全国で覚えてもらえるよう頑張る」と、“第2章”の成功に向けて意気込んでいた。