【鹿児島】南大隅のパイナップル出荷 新たな特産品に!
鹿児島県南大隅町の「パインアップル」(パイナップル)が本格的な出荷シーズンを迎えた。本土最南端の温暖な気候を利用し、町が生産を強化する熱帯果樹の一つ。新規就農した移住者を中心に栽培が広がっており、新たな特産品としても期待が高まっている。
高い糖度 温暖な気候生かす
「とっても甘い」「酸味もあっておいしい」
南大隅町佐多馬籠にある佐多岬熱帯果樹施設で6月15日に開かれた試食会。甘い香りが漂う中、カットされた鮮やかな黄色の実を口にした関係者は、その甘さに驚いたような表情をみせた。
用意されたのは、果汁が多い「ハワイ種」、しっかりした果肉と甘さが強い「ボゴール」、濃厚な味わいと香りが特徴の「ゴールドダイヤモンド」の3品種。糖度検査ではそれぞれ、目標(15度)を大きく上回る17~21度の数値を示した。
加温が必要ないハウスで育つ熱帯果樹の栽培に、町が力を入れ始めたのは約10年前から。当初はパッションフルーツやアボカドが中心だったが、2017年にパインも導入。町が苗木を育て、生産者に提供したり、販路を開拓したりし、支援を続けてきた。
移住者中心に栽培拡大
町によると、今季は14世帯がパインの栽培に着手。栽培面積も85アールまで広がっており、9月までのシーズン中に約1万玉の出荷を目指しているという。
試食会には、東京から移住して栽培に取り組む仲究さんも出席。仲さんは「おいしいと思ってもらえるのが一番うれしい。南大隅のパインアップルの魅力を広めたい」と笑顔で語った。町経済課の岩下恭一・営農指導員は「とっても良く仕上がった。自信を持って売り出したい」と話した。
百貨店や交流物産館へ
収穫は9月までで、1キロ1000円前後で取引されるとみられる。首都圏や県内の百貨店などのほか、町の観光交流物産館「なんたん市場」にも出荷される。