【山口】念願のクラフトビール醸造所が開業 下関・内日に

 山口県下関市内日(うつい)地区に、クラフトビールの醸造所「うついブルワリー」がオープンした。地元産のホップと米を原料にしたビールを委託醸造し、販売している障害福祉サービス事業所「グリーンファーム」が、製造から手がけようと建設した。関係者は「利用者の工賃アップや地域活性化につなげたい」と意気込んでいる。


オープンした「うついブルワリー」

福祉事業所が開設

 グリーンファームは、下関の旧名「馬関(ばかん)」にちなんだクラフトビール「VACAN CRAFT(バカンクラフト)」シリーズを販売している。知的障害などがある18~68歳の利用者約40人が、クラフトビールの原料の一部となるコシヒカリやホップなどを栽培。収穫した原料を和歌山市の工場で醸造してもらってきたが、生産から販売までを一貫して行うことで、地域の特色づくりにも貢献しようと、昨年から建設を進めてきた。今年4月には酒類製造免許を取得し、念願のオープンに至った。

 醸造所は木造平屋約180平方メートルで、醸造機器やタンク、利用者がラベルを貼る作業場の他、造りたてが飲めるタップルーム(バー)もある。年間20キロ・リットルを製造でき、今年は6.8キロ・リットル(330ミリ・リットルの瓶約2万本分)の出荷を目標にしている。

出来たての味を堪能

 オープンした6月17日、下関市内外から多くのビールファンが訪れ、出来たての味を堪能した。同市豊浦町の会社員男性(44)は「新鮮な味わいで口当たりがいい。地元に醸造所ができてうれしい」と上機嫌だった。


出来たてのクラフトビールを楽しむビールファンら

 グリーンファーム管理者で醸造責任者の友村栄幸さんは「ようやくオープンにこぎ着けた。地元の人だけでなく、観光客にも楽しんでもらいたい」と話した。

 営業は当面、金、土曜日の午前10時~午後3時で、瓶入りの販売を行う(1本550円)。タップルームでクラフトビールを提供するのは不定期のイベント時のみ。問い合わせはうついブルワリー(083-250-9102)へ。


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