【熊本】小国町の北里柴三郎記念館にシアターホール完成

 「近代日本医学の父」と称される熊本県小国町出身の細菌学者、北里柴三郎(1853~1931年)を顕彰する北里柴三郎記念館(小国町北里)に9月2日、シアターホールがオープンした。2024年7月発行の新千円札の肖像に採用されたことを受けて町が建設したもので、観光客や修学旅行生の増加が期待される。


テープカットでシアターホールの完成を祝う関係者


功績を映像で学ぶ


 ホールは鉄骨コンクリート造平屋の479平方メートル。200インチのスクリーンを備えたシアター室(40席)では、東京医学校などを経てドイツに留学し、破傷風菌の純粋培養に成功して血清療法を確立するなどした柴三郎の功績と生涯をまとめた20分の動画を上映。このほか白い壁面に映像を投影できるセミナー室や、紙幣製造の技術を解説するコーナーも設けた。

 柴三郎が町に寄贈した北里文庫(図書館)と帰省時用の貴賓館などを公開している記念館の展示も一部刷新した。来館者は貸与されるタブレットでQRコードを読み込むことで、展示品について映像と音声で学ぶことができるようになった。


北里柴三郎記念館にオープンしたシアターホール


 総事業費は約4億3200万円。9月2日の開館記念式典には約90人が出席した。渡辺誠次町長は「観光、文化、交流の拠点となることを願う」とあいさつ、柴三郎のひ孫でもある北里英郎館長は「ここで学んだことが若い人の将来の夢につながれば」と話した。


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