【宮崎】延岡・島野浦へおいで! 初の観光案内所が完成

 宮崎県延岡市の離島・島野浦島に、初の観光案内所が完成した。島の豊かな自然を観光振興につなげようと、若手漁業者らで結成したNPO法人がインターネットを通じて資金を集め、9月29日の開所につなげた。

海や山、ツアーで魅力発信

 島野浦島は同市中心部から北東約12キロに位置する周囲約15.5キロの島。日豊海岸国定公園のリアス式海岸に囲まれ、ダイビングスポットとして知られるオオスリバチサンゴや、島周辺を一望できる遠見場山(とんばやま)などがある。だが、島を訪れる人の多くは釣り客で観光客は少なかった。


開所した島野浦観光案内所。島民らにお菓子を投げて祝った

 島の名所をツアーで紹介し、観光情報を発信する拠点を整備しようと、20~50歳代の島民ら13人が2024年5月にNPO法人「しまうら未来開発プロジェクト」を設立。インターネットで資金を調達するクラウドファンディングなどで、目標の100万円を上回る約150万円を集めた。

 同法人によると、観光案内所は23年7月に閉鎖された島野浦水産加工業協同組合の2階建て建物を無償で譲り受け、一画(約40平方メートル)を改装。当面は土日、祝日に開所し、船でクルージングする海ツアーや、遠見場山をトレッキングする山ツアー(いずれも事前予約制)などを受け付ける。案内所内には島の観光パンフレットを並べ、オリジナルのTシャツも販売する。

 29日の開所式で同組合の元組合長の高木茂成さん(66)は「組合が閉鎖し、さみしい思いをしていたが、建物を利用してくれることになった。昔のようなにぎやかな島になることを願っている」とあいさつ。同法人の清田潤代表(30)は「少子高齢化や不漁で島の元気がなくなっている。多くの人に島のことを知ってもらいたい」と話した。

 読谷山洋司市長らがお菓子を投げて島民とともに開所を祝った。ツアーの予約、問い合わせは同案内所(070-4449-9312)へ。


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