【大分】別府で「アート・マンス」 11月10日まで開催
街中で芸術を楽しむ大分県別府市恒例の「ベップ・アート・マンス」が開かれている。11月10日までの期間中、絵画やダンス、音楽といった様々なジャンルの計128プログラムが予定され、市内で活動するアーティストらの力作や体験型のイベントを楽しめる。
般若や天狗(てんぐ)、おたふくにひょっとこ……。同市松原町の酒井理容店には、四方の壁に大小約500個の手彫りの面が飾られている。店主の酒井寅義(とらよし)さん(88)が半世紀余りにわたって作り続けた作品群だ。近くの海岸に漂着した流木や発泡スチロール、タイヤなどを彫刻刀やノミで彫る。
愛媛県出身で、中学卒業後に大分市の理容店で修業を積み、1964年に店を開いた。70年に現在地に移転した後、能面への興味から「自分で作ってみよう」と思い立ち、本業の傍ら、頭に浮かぶイメージだけを頼りに創作を続けた。「よくこれだけ彫ったと自分で思う」と酒井さん。次男の学さん(57)も「50年分の執念と迫力が感じられるはず」と話す。観覧料200円。
15回目のイベント
15回目となったこのイベントは、大分県や別府市、企業などでつくる「混浴温泉世界実行委員会」が、アートを通じて別府の魅力を知ってもらおうと2010年から毎年開いている。
2022年度の芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞した美術家・中崎透さん(47)が手がけた巡回型インスタレーション(空間芸術)「Bluebird Sign/青い鳥のしるし」は、中心市街地が舞台。個性的な看板やオブジェが商店街や路地に彩りを添える。デザインは、別府市の老舗映画館「別府ブルーバード劇場」の岡村照館長(93)らへのインタビューを基に制作した。
アート・マンスの問い合わせはインフォメーションセンター(070-4208-9361)へ。