【山口】引き揚げ体験の記憶 ちばてつや氏らの作品展示

 「あしたのジョー」のちばてつやさんや、「天才バカボン」の赤塚不二夫さん(故人)ら、太平洋戦争後に中国東北部(旧満州)からの引き揚げを体験した有名漫画家が当時の記憶を描いた作品展が、山口県の長門市総合文化財センター「ヒストリアながと」で開かれている。同センター学芸員の中野優子さんは「若い世代に人気がある漫画を通じ、引き揚げの歴史への関心を高めたい」としている。


引き揚げ船などが描かれた、ちばてつやさんの複製作品(左)


 市内には、博多港(福岡市)などとともに戦後の引き揚げ港となった仙崎港がある。昨年9月のオープン以来、その歴史を紹介しているセンターが、開館1周年を記念して企画した。


 平和祈念展示資料館(東京)が所蔵する11人の作品の複製品22点を紹介。7歳の時に旧満州から引き揚げを体験したちばさんは「大きくてたくましく見えた」という引き揚げ船と、港で乗船を待つ人々を繊細な筆遣いで描いている。

 旧満州生まれで10歳頃に引き揚げを体験したという赤塚さんは、大きな荷物を背負った母を先頭に、子どもたちが手をつないで必死に歩を進める様子を表現している。

 12月10日まで。無料。開館時間は午前9時~午後5時。月曜休館(祝日の場合は翌平日)。問い合わせはセンター(0837ー22ー3703)へ。


advertisement