【長崎】雲仙産のベルガモットが香るクラフトビール完成
長崎県雲仙市で栽培された果樹・ベルガモットを原料にしたクラフトビールが完成した。考案したのは、長崎市の渕上桂樹さん(39)と弟の敏秀さん(36)(雲仙市)。来年以降、雲仙市内の耕作放棄地1ヘクタールを使って本格栽培に乗り出す予定で、遊休地の有効活用事例としても期待が寄せられている。
ベルガモットは、紅茶のアールグレイの香り付けや香料などに使われるかんきつ系の果樹。県外からUターンし、農業分野での起業を模索していたところ、苗木店でたまたまベルガモットを知り、香りにひかれたという。
2人は同市の畑で80本を栽培。今年10月に約50キロの実を収穫し、長崎市の醸造所でクラフトビールに加工してもらった。現在、桂樹さんが経営する同市のバー「NaYa」で取り扱っている。
遊休地を活用して新名物に!
11月15日には雲仙市の金沢秀三郎市長に完成を報告した。試飲した金沢市長は「香りが強く、さわやかでおいしい。味が濃いので、料理に合わせるより、お酒自体を楽しむ食後酒向きだと思う」と感想を述べた。
今後、330ミリ・リットル瓶(税別800円)での販売も予定している。桂樹さんは「紅茶やアロマオイルへの加工も計画している。色々な方と連携し、雲仙の新しい名物として確立させたい」と意気込み、敏秀さんも「ライムやヘーゼルナッツの栽培も考えている」と話していた。
金沢市長は「チャレンジしてくれることがありがたい。安定生産を心から願い、(耕作放棄地を有効活用する)先進モデルになることを祈念します」とエールを送った。