【熊本】市電で「顔パス」決済を導入 3月まで実証実験

 熊本市交通局は、熊本市電で顔認証によって運賃を支払うシステムを導入した。スマートフォンの専用アプリに事前登録すれば、「顔パス」で乗車できる。路面電車での導入は全国初という。3月まで実証実験で課題や効果を分析し、2024年度以降の本格導入を検討する。

路面電車では全国初


実証実験が始まった顔認証での決済システム


 大手商社丸紅が運営する顔認証システムを利用した。アプリは市電のモバイル定期券「QUICK RIDE」か、プリペイドカード「BANKIT」のどちらかで、氏名や顔写真の画像データを事前に登録する。

 市電の43車両のうち、超低床電車など10車両で12月20日に始めた。降車時に運転席近くのタブレット端末のカメラに顔をかざすと、自動的に運賃の支払いが完了する。

「手ぶら」乗車もOK

 報道向けのシステム公開では、担当者が車内のタブレット端末のカメラに顔を近づけると、画面に「顔認証が正常に完了しました」とのメッセージが表示された。認証時間は最長約2秒。マスク着用でも判別でき、認証精度は99.46%という。

 市電では、現在も利用者の4分の1が現金払いで、市交通局は降車時の混雑緩和を期待する。吉岡秀一・総務課長は「スマートフォンを持たずに『手ぶら』でも乗車できる。ぜひ実証実験に協力してほしい」と話した。


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