【山口】高校生が「塩あめ」を開発 周防大島の特産品に
山口県立周防大島高(周防大島町)の生徒9人が、地元産の塩を使ったオリジナルの塩あめ「The瀬戸内のダイヤ」を開発した。企画から商品化まで生徒たちが行い、県産の茶や蜂蜜も使って5種類の風味を1年がかりで完成させた。3月上旬から県内外の土産品店などで販売しており、生徒らは「島を代表する特産品になってほしい」と期待する。
1年かけて5種の風味
開発したのは、地方産業の担い手を育成する地域創生科の3年生3人と2年生6人。実際のビジネスを体験しようと、町内の製塩会社「龍神乃里」の協力で10年後も地元や観光客に愛される塩あめの製造と販売に挑戦した。
生徒たちは、スーパーなどであめを購入する年齢層や人気の味について調査。結果を参考に、塩味以外にも宇部市産の小野茶と平生町産の蜂蜜、柳井市産のイチゴ、美祢市産の秋芳梨ペースト入りの四つの味を作ることにした。
実際に生産者との商談に臨んで原料の調達手段を確保し、製造を静岡県の工場に依頼。上品な塩味を楽しみつつ、それぞれの風味を感じられるあめを完成させた。
「The瀬戸内のダイヤ」
「瀬戸内のダイヤ」の名前は、あめが宝石のように見えたことから、島を囲む瀬戸内海にちなんで命名。パッケージも、美しい海をイメージした淡い水色を基調にデザインした。
生徒に協力した同社の村上雅昭代表は「塩味と甘みのバランスが取れていて、見た目にも大島らしい特徴が出ている」と評価する。
2月下旬に校内であったお披露目会で、生徒たちは保護者らにあめを配って味わってもらい、同社での就業体験や、JR広島駅(広島市)で行った販売実習についても紹介した。
完成までには、条件が合わずになかなか工場が決まらなかったり、パッケージを監修したデザイナーの指摘を受けながら何度もデザインし直したりと、多くの苦労があったという。リーダーを務めた生徒は「開発は大変で営業は緊張したけど、すてきな商品ができた。県内外の色んな人に手にとってもらいたい」と力を込めた。
あめは1袋10個入りで400円。当面はスタンダードな塩と茶、蜂蜜、梨の4種類入りで、夏頃からイチゴを加えた5種類にする。県内の道の駅や、岩国市の錦帯橋周辺の土産品店などで販売している。