【鹿児島】肥薩おれんじ鉄道が開業20年 川内駅でも式典
肥薩おれんじ鉄道(熊本県八代市)の開業20周年記念式典が3月10日、行われた。会場の一つとなった鹿児島県薩摩川内市の川内駅では、出席者や利用者から「暮らしや地域の経済を支える重要な輸送手段」「長く存続してほしい」などと鉄路の必要性を訴える声が聞かれた。
式典には沿線自治体の関係者ら約40人が出席。塩田康一知事は「地域産業の振興に寄与する社会基盤、県の基幹的な物流ルートとして極めて重要な役割を担っている。今後も安定的な運行を確保していきたい」とあいさつした。同市の田中良二市長は「少子化などで利用者が減少傾向にある中、誘客に力を入れている。多くの観光客が来ていただけると期待している」と述べた。
4月から刷新される運転士と観光列車「おれんじ食堂」の客室乗務員の制服を披露。銚子電気鉄道(千葉県銚子市)と協力して利用客の増加を目指す事業連携協定の締結もあり、鏡開きをして祝った。
ホームでは新公式キャラクター「ディーゼルガールズ」がラッピングされた新車両の出発式があり、沿線の出水市の椎木伸一市長が「未来に向かって出発」と声を発し、県のPRキャラクター「ぐりぶー」や出席者らが発車を見届けた。
おれんじ食堂を利用したことがあるという大阪市の会社員男性(39)は「東シナ海や八代海の景色、客室乗務員のおもてなしが素晴らしい。退屈せずに楽しめる。これからも利用しながら応援し続けたい」と話していた。