【山口】鯨のおいしさ下関から 「感鯨料理」店など紹介
鯨の街・山口県下関市で提供されている鯨料理「感鯨(かんげい)料理」を知ってもらおうと、官民でつくる市鯨肉消費拡大推進協議会がPR攻勢を強めている。情報発信サイト「感鯨下関」を開設したほか、パンフレットやポスターで市民や観光客への知名度アップを図る。
協議会は市や下関観光コンベンション協会、飲食組合、ホテル・旅館、鯨肉加工業者などで構成。2019年7月に商業捕鯨が再開されたことを受け、20年度から鯨肉の消費拡大に取り組んできた。
市によると、協議会は飲食店などを対象に鯨肉の扱い方の講習会を開くなどしており、現在、「感動する鯨料理」を略して感鯨料理として売り込みをしている。20年度は約50店だった提供店は現在、約120店まで増えたという。
サイトでは、「さえずり」と呼ばれる舌肉を牛タンに倣って「鯨(げい)タン」と名付けたことを紹介。下処理が難しくあまり流通していないが、市内では鯨タンの角煮風や炙(あぶ)りなどが食べられることを、料理画像とともにアピールしている。
また、定番の竜田揚げからユッケやあんかけ、ローストホエールといった料理まで、多種多様なメニューも掲載。鯨料理が食べられる飲食店名や営業時間、電話番号のほか、捕鯨の歴史や鯨肉の部位ごとの食味なども解説している。
同様の内容のパンフレットは約3万部、ポスターは100部を作製し、観光施設や観光案内所などに配布する。
市水産振興課くじら産業推進室の手塚潤室長は「加工・調理技術の向上により、臭みを抑えたり、低温調理で新たな味わいを引き出したりと、市内の鯨料理は『最先端』と言える。ぜひ多くの人に堪能してほしい」と呼びかけている。