【熊本】「やまが和栗」PRへ 山鹿市の関係者がスクラム!
西日本一の栽培面積を誇る和栗を全国にPRするため、熊本県山鹿市と関係団体が5月に協議会を設立した。栗の新商品開発を支援し、「やまが和栗」としてのブランド化やイベントの開催などで各団体が協力する。関係者は「地場産業の活性化につなげ、山鹿を盛り上げたい」と意気込んでいる。
西日本一の栽培面積
市などによると、2020年の市内の栗の栽培面積は、茨城県笠間市や同県かすみがうら市に続く294ヘクタールで全国3位だ。収穫量も都道府県別で全国2位の熊本県内最多の820トンに上り、全国有数の栗の産地になっている。
ただ、市場では他の産地と合わせて「熊本県産」と表記されるため、産地としての知名度が低いことが課題となっていた。また、市内では9~11月に栗を使ったスイーツをPRするイベントが開かれていたが、物産館や菓子店が個別に実施しており、各団体が連携した活動も少なかったという。
ブランド化へ協議会
一方、この数年で全国にモンブラン専門店ができるなど栗の需要は急増し、山鹿市でも栗の買い取り価格が4年前と比べて3倍以上になった。新たに栽培を始める農家も増える「栗ブーム」の中、市は地元産の栗の知名度向上につなげようと、2023年4月に市農業振興課に「やまが和栗ブランド係」を設置。JAや商工会議所、観光協会に協力を呼びかけて協議会の設立につなげた。
協議会では、農家の高齢化などの課題について情報を共有して対策を検討するほか、栗を使った新たな加工品の開発を支援する。また、24年度中には地域名と商品名を組み合わせた名前で登録し、独占的な使用を認める制度「地域団体商標」に「やまが和栗」の登録を目指す。
5月22日にJA鹿本で行われた設立総会では、早田順一市長が「課題を解決しながら、和栗で稼ぐことができる山鹿を目指したい」とあいさつ。関係者がおそろいの法被を身につけて活動への意気込みを新たにしていた。会長に就任したJA鹿本の西岡裕治・代表理事組合長は「山鹿の栗は香りの良さが高い評価を得ている。やまが和栗を全国で知ってもらい、食べてもらいたい」と話した。