【山口】周南市が不用備品をメルカリに出品 財源に活用 

 山口県周南市は、フリーマーケットアプリ「メルカリ」で不用になった市の備品を販売する取り組みを始めた。県内の自治体では初めてで、市は売り上げを市の財源に充てられることに加え、SDGs(持続可能な開発目標)や脱炭素社会の実現にも貢献できるとして期待している。


メルカリで販売する備品を披露する藤井市長(左)と伊藤政策企画参事

 公共施設の閉鎖や備品の更新に伴って不用品が生じた場合、これまで市は廃棄処分するか各部署で保管していた。必要とする人に購入してもらうことで処分費用を減らせる利点もあるという。

 販売は事業者向け出店サービス「メルカリShops」を活用。価格はメルカリに出品されている同種品を参考に決め、手数料10%と送料(市役所に直接引き取りに来た場合を除く)を差し引いた額が市の財源となる。価格交渉には応じない。

県内の自治体では初

 サービスの運営会社・メルカリ(東京)によると、メルカリを利用した自治体の不用備品の販売は2021年11月に岩手県山田町で始まり、全国に広がっている。周南市は35番目。

 6月17日に市役所で出店発表会が開かれた。藤井律子市長は「たくさんの人に有効活用してほしい」と期待を込め、パソコンを操作して出店手続きに着手。2012年度末に廃校になった旧市立粭島(すくもじま)小で使用されていたトランペット(1万5000円)や人体解剖模型(1万1000円)、上皿てんびん・分銅セット(3000円)など計12点を出品した。今後も準備が整い次第、販売する備品を増やすことにしている。

 出店に立ち会ったメルカリの伊藤亮太・政策企画参事は「例えばキャラクターグッズのような地域をアピールする物品を出品することで、遠方の人に周南市を知ってもらうきっかけになるとうれしい」と話していた。


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