【長崎】鄭成功の生誕400年を祝い舞う 出生地の平戸で  

 中国・明王朝の復興を目指し、台湾をオランダの支配から解放した鄭成功ていせいこう(1624~62年)の生誕400年祭が7月14日、生誕地の長崎県平戸市で開かれた。子孫を始め、台湾、中国から多くの関係者が参列した。


中国の伝統舞踊を披露する南安市の芸術団のメンバー

 鄭成功は、平戸を拠点とした中国人海商・芝龍しりゅうと平戸の女性・田川マツとの間に生まれた。平戸島の千里ヶ浜には、出生地とされる「鄭成功児誕石じたんせき」がある。近くには県史跡「鄭成功居宅跡」があり、2013年に生家を再現した鄭成功記念館が建てられた。

 市は生誕400年に向け、1962年に児誕石の近くに建てられた鄭成功の分霊びょうの新築を計画。居宅跡に新築し、2024年4月にオープンした。

 生誕400年祭は記念館前で開かれる予定だったが、雨のため、平戸文化センターで開催された。鄭成功が少年期を過ごした中国の南安市や、台湾の台南市から訪問団が訪れ、国内外の約500人が参列。平戸市の黒田成彦市長は「鄭成功は東アジアの英雄として、世界に誇る偉大な存在。生誕400年の記念すべき年であり、生誕を祝うとともに偉業を顕彰したい」と述べた。

 南安市の芸術団のメンバーは、中国の伝統的な舞踊を披露。平戸の住民は、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された風流踊ふりゅうおどりの一つ「平戸のジャンガラ」を実演した。

 鄭成功
 平戸で生まれた後、7歳の時に渡海して南京大学で学んだ。明滅亡後、満州族による王朝・清に抵抗して明を復興する「抗清復明」を掲げたが敗れ、オランダに支配されていた台湾を攻略して解放した。近松門左衛門の浄瑠璃「国性爺合戦こくせんやかっせん」のモデルとしても知られる。


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