【熊本】八代亜紀さんの功績を後世に 八代市が実行委

 熊本県八代市出身で2023年12月に73歳で亡くなった歌手、八代亜紀さんの功績を後世に伝えようと、市は9月13日、「八代亜紀さんメモリアル事業実行委員会」を設立した。市内外からのファンの声を受け、〈1〉記念碑設置〈2〉代表曲のメロディーを駅などで放送〈3〉ステージ衣装の展示――などの事業を検討する。財源は寄付金やふるさと納税を見込み、具体化を目指す。

記念碑など検討


八代さんの功績を後世に残す案を話し合う委員たち

 実行委は、「八代亜紀と共に明日の八代をつくる会」を構成する市と八代商工会議所、市商工会、八代経済開発同友会など6団体の代表6人で構成。ファンからは銅像や記念館の設置、記念植樹といった様々な意見が寄せられており、郷土の誇りとして末永く後世に継承する方法を探る。

 13日の初会合では、福島誠治副市長を会長に充てる人事を決め、八代さんの所属事務所「八代ミュージック&ギャラリー」の大野誠社長をアドバイザーに迎えることなどを承認した。オンラインで参加した大野社長は「天国の八代さんが喜んでいると思う。生前の思いを皆さんに伝えられるように微力ながら携わらせていただく」と述べた。

 委員からは、「市の電話で使う保留音を代表曲に」「マンホール(アート)にしたらシンボルになる」「交差点で日常的に流してみては」といった意見が出た。八代さんが歌を学んだキャバレー「ニュー白馬」などを聖地として周遊したり、記念事業の製作過程を動画投稿サイト・ユーチューブで共有したりするアイデアもあった。

 市は今後、事業の具体化に向けて意見を集約。寄付金やふるさと納税を集める手法を定める。福島副市長は「全国で愛されている八代さんの多大な功績をしっかりと後世に残したい」と力を込めた。

 八代さんは「舟唄」「雨の慕情」など多数のヒット曲を残した。県民栄誉賞や名誉市民証が贈られ、県庁にはレリーフと銘板が設置された。


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