【宮崎】陸で育てた魚「タマカイ」 都農町の返礼品に

 魚の陸上養殖の実用化に取り組む宮崎県都農町が、試験養殖で育てたハタ科の巨大魚「タマカイ」を、同町のふるさと納税返礼品に活用することになった。11月から受け付ける予定。

11月から「新しい特産品へ」

 町は岡山理科大(岡山市)などと連携して2023年春から試験養殖を開始。同大が開発した「好適環境水」を用いた「完全閉鎖循環式」の7.4トン水槽2基で輸入した稚魚のタマカイを育て、すでに平均約3キロと、海面養殖に比べて約3倍のペースで成長し、生存率も94%と順調に推移しているという。

 24年1月の完成後、運営体制が決まっていなかった町立の水産加工場についても、民間の加工業者に事業委託して10月から稼働。ふるさと納税での2万円の寄付に対し、鍋用の切り身500グラムを返礼品として出荷することになったという。

“これはいける”


都農町で陸上養殖されたタマカイを試食する河野知事(右)

 24日には坂田広亮町長が県庁に河野俊嗣知事を訪ね、タマカイの刺し身や鍋を振る舞った。河野知事は「タマカイを知らなかったがこれはいける。反応が楽しみ」と笑顔を見せた。

 町は返礼品調達額の基準超えによるふるさと納税の指定取り消しを経て4月、約2年3か月ぶりの寄付受け付けを再開。坂田町長は「都農の新しい特産品として県内外に広めていきたい」と語った。


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