【鹿児島】桜島フェリーが深夜便運航を休止へ 10月から

 鹿児島市は1月29日、市街地と桜島を結ぶ「桜島フェリー」について、2025年10月から深夜帯の定期運航を取りやめる方針を明らかにした。1984年から24時間態勢で運航してきたが、利用客の減少などの影響で赤字が続き、運航を見直すことにした。


深夜帯の定期運航を取りやめることが決まった桜島フェリー

 桜島フェリーは、旧西桜島村時代の34年に始まり、市街地と桜島を約15分で結ぶ。平日に102便、土日祝日に112便を運航しているが、利用客減や燃油価格高騰の影響により、2015年度から9年連続で赤字を計上。23年度までの累積赤字は約27億円に上る。

 市船舶局によると、24年度に3回行った調査では、午前0時~同4時までの平均で、旅客は4.9人、車両は5.2台の利用にとどまったという。この結果を踏まえ、市は10月から午前0時台~午前3時台の定期便8便の運航を取りやめる方針を決めた。

 見直しによって年間約3500万円の経費削減を見込む。ただし、救急搬送を想定し、桜島側にフェリーや船員を待機させるという。


穏やかな錦江湾内を進む桜島フェリー。船の上には虹がかかっていた


 この日の定例記者会見で、下鶴隆央市長は「事業の継続のためにはやむを得ない判断だ」と述べた。


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