【長崎】雲仙岳災害記念館が改装オープン 展示を刷新

 雲仙・普賢岳噴火災害の教訓を伝える長崎県島原市の「雲仙岳災害記念館」が、展示内容を大幅に刷新して3月1日、リニューアルオープンする。大火砕流で犠牲になったフランス人火山学者夫妻の展示が加わり、太田一也・九州大名誉教授の研究室を再現したスペースが部屋に拡張された。

噴火の教訓をわかりやすく


クラフト夫妻の資料を解説する杉本館長

 改装工事が完了し、2月27日に内覧会が行われた。これまで1階だけだった常設展示スペースを2階にも広げ、広さは1.5倍に。展示パネルを新調し、噴火を体験した人々の証言映像も改めて取材し、字幕付きで公開している。

 また、1991年6月の大火砕流で犠牲になったフランス人火山学者・クラフト夫妻が、噴火のリスクを伝えるため撮影していた世界の火山映像資料も、管理者からの貸与を受け、新たに常設展示に加えた。

 2階には、CG映像で火山内部などを探索してもらう6メートル四方の「プロジェクションマッピングルーム」を新設。90~95年の噴火災害の対応で中心的な役割を担い、1月に90歳で亡くなった太田氏の研究室の再現スペースも、通路の一角から一つの部屋へと移した。


記念館内に再現された太田名誉教授の研究室

 杉本伸一館長は「噴火から35年。子どもたちをはじめ体験していない人にも、火山の営み、災害、恵みをわかりやすく伝えられるよう心がけた」と話している。

 同館は2002年に開館し、雲仙岳災害記念財団が運営してきたが、2024年度から、指定管理者がシダックス大新東ヒューマンサービスに交代。1月6日から休館して改装工事を行った。

 常設展示入場料は一般1050円、中高生740円、小学生530円。問い合わせは同館(0957-65-5555)へ。


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