【大分】「進撃の巨人」の地域おこしがコンクール優秀賞

 大分県日田市出身の諫山創(はじめ)さんが手がけた人気漫画「進撃の巨人」を活用した地域おこしに取り組む「進撃の日田まちおこし協議会」(事務局・日田市)が、日本の魅力を海外に発信するプロジェクトや動画を対象にした全国コンクールで優秀賞を受賞した。都会から離れた作者の故郷で、インバウンド(訪日外国人客)の取り込みに成功したことなどが評価された。


JR日田駅に設置されたタペストリー(2024年12月25日撮影)

「進撃の日田」で観光客誘致

 受賞したのはクールジャパン官民連携プラットフォーム(CJPF、事務局・内閣府)が主催する「CJPFアワード2025」のプロジェクト部門。同部門には103件の応募があり、グランプリ1件、準グランプリ2件、優秀賞5件が選ばれた。3月上旬、結果発表と表彰式が行われた。

 「進撃の日田」と銘打った一連のプロジェクトは、市民有志が2020年11月、諫山さんが生まれた同市大山町にある大山ダムに登場人物の銅像を建てたのが始まり。

 その後も「自分が生まれ育った町に恩返しがしたい」という諫山さんの思いに支えられ、市や関連商品を扱う事業者などへと取り組みの輪が広がった。

 21年3月、大山町の道の駅「水辺の郷(さと)おおやま」に原画などをそろえたミュージアムが開館。23年8月には同市高瀬のサッポロビール九州日田工場内に別館もオープンし、国内にとどまらず海外からもファンが「聖地巡礼」に訪れ、にぎわっている。市などの推計では、21~23年の経済効果は55億円に上った。

 同協議会の土橋泰輔会長は「受賞を励みに日田の魅力をさらに高めていきたい」と喜びを語った。


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