【鹿児島】いづろ交差点周辺再開発 2044年度完成目指す
鹿児島市は、市中心部の天文館と本港区を結ぶいづろ交差点周辺の再開発構想の基本計画を公表した。集客施設や歩行者デッキ、駐車場などの整備を検討し、JR鹿児島中央駅からの人の流れを生み出すことを狙う。市は2044年度の完成を目指したい考えだ。
天文館―本港区の回遊性高める
対象区域は中町、金生町、大黒町、泉町、堀江町、住吉町の計14街区で約7ヘクタール。同交差点は、百貨店「山形屋」の南約100メートルに位置し、周辺には商店や銀行、ビジネスホテルなどが立地している。
対象区域を四つに分け、それぞれが持つ既存の特徴を生かし、商店街の更新や拠点となる施設の整備を進める。同交差点を起点とするマイアミ通りは三つのエリアを横断しており、天文館と本港区を結ぶ歩行空間として検討を進める。
再開発構想を巡っては、約140の地権者のうち46の地権者が2024年3月、研究会を設立。他地域の事例を参考に、再開発の方向性や整備のイメージについて月1回の勉強会を通じて意見交換を続けてきた。
市市街地まちづくり推進課によると、24年12月に地権者を対象にアンケートを実施。回答した53の地権者のうち約9割が再開発の検討に賛成したことから、整備方針や手法などを定めた基本計画を作成した。
市は対象区域のうち約4ヘクタールを市街地再開発事業に位置づけ、金生町や泉町、堀江町の一部について、施設や駐車場の概要を検討する。その経費として、新年度予算に450万円を計上した。
中心市街地では、鹿児島中央駅と天文館の間にある加治屋町1番街区でも高さ100メートルの複合ビルが建設される見通しとなるなど、再開発が進む。同課の木ノ上克明課長は「(いづろ交差点周辺は)天文館と本港区を結ぶ重要な地点。加治屋町など他の拠点との回遊性を高めて、中心市街地の活性化につなげたい」としている。