【山口】体験交流公園「重源の郷」 4月24日に新装開園

 山口市徳地深谷の体験交流公園「重源(ちょうげん)の郷」が4月24日、新装開園する。園内の茅葺(かやぶき)古民家の屋根を全面的にふき替え、新たに古民家を見渡せる展望台や地元で生産した食材を堪能できるレストランも整備した。同日には記念式典とイベントが開かれる。

茅葺屋根をふき替え、展望台を設置


展望台から見た古民家の様子

 公園は、浄土宗の僧で、平安時代末期に焼失した奈良・東大寺を再建する際、徳地地域を訪れて木材を調達したと伝わる重源の功績や、地域の魅力を発信することを目的に1998年に開園した。古民家が老朽化し花木が減少したことから、2023年から閉園して工事を行っていた。総事業費は約9億5000万円。

 工事では古民家3棟の茅葺屋根をふき替え、屋内で木工や紙すきといった体験をできるように改装した。入り口から約1.2キロ離れた敷地内に、古民家などを見渡すことができる展望台を新たに設置した。

地元食材堪能!レストランも整備

 展望台の近くには、徳地地域で生産された自然薯(じねんじょ)のとろろをかけてそばを堪能できるレストランを開設。桜やイチョウといった季節の移ろいを感じられる木や花を植えた。また、駐車場は40台分増やし160台が利用できる。園内では足が不自由な人のための無料バスを運行する。


景色を眺めながらそばを楽しめるレストラン

 開園初日の24日は、特別講師が敷地内の植物について語る講演を行い、施設の魅力を知ってもらう散策ガイドを実施する。木材の年輪をイメージしたバウムクーヘンの試食会もある。

 公園には年間9万人超の観光客が訪れていたが、新型コロナウイルスが流行していた21年は約1万6千人にまで減った。伊藤和貴市長は年間の来園者数の目標を2万5000人としている。3月の記者会見で伊藤市長は「すてきな空間を用意した。展望台から見る茅葺屋根の美しさは格別。ぜひ足を運んでほしい」と話した。

 入園料は高校生以上520円、小中学生310円、未就学児は無料。営業時間は5~10月が午前9時半~午後5時、11~4月は午前9時半~午後4時半、定休日は水曜日(祝日の場合は営業)。問い合わせは指定管理者「多々良造園・徳地の未来共同企業体」(0835-52-1250)へ。


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