【鹿児島】喜界島が「日本ジオパーク」に!県内4か所目

 日本ジオパーク委員会は10月6日、サンゴ礁段丘などで形成された喜界島を「日本ジオパーク」に認定した。約10万年前からのサンゴの隆起によってできた階段状の珍しい地形や、自然と密接した島の生活、魅力発信の取り組みなどが評価された。

サンゴ礁段丘、島の生活など評価


隆起によって形成されたサンゴ礁段丘

 ジオパークは、地球・大地(ジオ)と公園(パーク)を組み合わせた造語。特徴的な地形や地層の保全や活用に力を入れている地域を同委員会が認定しており、県内では「霧島」「桜島・錦江湾」「三島村・鬼界カルデラ」に続く4か所目。

 認定された「喜界島ジオパーク」は、周辺海域を含む148.82平方キロ・メートル(うち陸域は56.82平方キロ・メートル)。同委員会は、気候変動と地殻変動で、サンゴ礁が隆起して何段もの段丘を発達させ、貴重な動植物や人々の暮らしなど特色ある景観を作り出した点などを認定理由に挙げている。

認知度向上や観光振興へ

 地元の喜界町は認定に向け2019年に基本構想を策定し、23年に「喜界島ジオパーク推進協議会」を設立。25年4月に認定の申請をしていた。

 町は今後、SNSなどを通じて「ジオパークの島」を内外に広め、島の認知度向上や観光振興、交流人口の底上げなどを図る方針。小・中学校で行っている環境教育の充実も図る。


日本ジオパーク認定を喜ぶ隈崎町長(前列中央)と推進協議会メンバーら

 6日夕、同委員会から協議会会長を務める隈崎悦男町長に電話で認定の連絡があった。隈崎町長は「みんなでアイデアを出しながら希少性をアピールし、子供たちに引き継ぎたい。継続的な取り組みのための組織強化も必要だ」などと述べ、ユネスコの世界ジオパークの認定も視野に入れた体制づくりの必要性を強調した。


advertisement