【山口】香月泰男の生涯が映画に 出身の長門などで撮影
旧ソ連軍による自らの抑留体験を描いた「シベリア・シリーズ」で知られる山口県長門市出身の洋画家・香月泰男(1911~74年)の生涯が、地元関係者でつくる実行委員会の制作で映画化される。映画監督の五十嵐匠(しょう)さん(67)がメガホンを取り、5月下旬にクランクイン、2027年のロードショーを予定している。
2027年、ロードショーへ
香月は1947年、約1年半のシベリア抑留を経て復員後、長門市三隅(旧・三隅町)の自宅にアトリエを置いて、代表作「シベリア・シリーズ」(57点)を30年近くかけて描き上げた。同シリーズは日本の近・現代美術史上に際立つ作品群とされる。
映画の制作は、戦後80年と、仙崎港が戦後の引き揚げ港となって80周年となったのを記念し、香月の遺族らでつくる「香月泰男映画制作実行委員会」が企画した。事業費4800万円のうち市が2500万円を補助し、映画を通じて市の魅力も発信する。撮影は5月22日から1週間~10日間、市内などで行われる予定で、今秋にも先行上映会を実施する。
映画のタイトルは「サンジュアンの木―画家 香月泰男」。香月は生前、自身の作品の解説文で、故郷について「思い通りの家の、思い通りの仕事場で絵を描くことが出来る。それが“私の地球”である」と記しており、シベリアでの抑留体験を交えつつ、画業を支えた故郷での家族との暮らしを中心に描かれる。
萩原聖人さん主演
実行委は4月下旬、同市の文化施設「ルネッサながと」で記者会見を開き、メインキャストを発表。主人公の香月役は俳優の萩原聖人さんが、香月の妻・婦美子さん役は舞台などで活躍する俳優の伊勢佳世さんがそれぞれ演じる。
会見に出席した五十嵐監督は「(メインキャストの)2人はすばらしい役者と分かっている。全幅の信頼を置いており、自由に思い切りやってほしい」と期待を寄せた。




