記事 INDEX
- 約7年ぶりに福岡上陸
- 福岡の"ご当地ごみ"も
- 長期公演のラスト飾る
キャナルシティ劇場(福岡市博多区)で7月27日、劇団四季ミュージカル「キャッツ」が開幕します。福岡での上演は、2014年以来約7年ぶり。劇団四季がキャナルシティ劇場で行ってきた5年間の長期公演のラストを飾ります。
約7年ぶりに福岡上陸
1981年にロンドンで初演され、世界50か国以上で上演されたミュージカルの金字塔「キャッツ」。1983年、東京・西新宿のテント式仮設劇場での日本初演を皮切りに、国内では計9都市で上演。福岡での初演は、1990年にシーサイドももちに設けたテント式仮設劇場で237回公演し、延べ約23万5000人を動員しました。
舞台は、都会のごみ捨て場。年に1度、1匹の"ジェリクルキャッツ"を選ぶ舞踏会に参加するため、集まる個性豊かな猫たち。プレイボーイな猫に鉄オタな猫、ダンスやマジックが得意な猫、生まれたばかりの猫に老いた猫……。それぞれの猫の生きざまが、観客の共感を呼びます。
福岡の"ご当地ごみ"も
観客も猫になった気分で楽しめる劇場空間もキャッツの大きな魅力。座席数を減らし、客席のすぐそばまでせり出した大量の巨大な"ごみ"が観客を迎えます。
「キャッツは劇団四季の作品の中でも物量が最大で、11トントラック約60台分にも上ります」と舞台監督の福永泰晴さん。
「大道具で46台、音響照明機材で5台、衣装や持ち道具で2台、ごみのオブジェだけでも3台です。1日最大130人のスタッフで、約3週間で設営します」
ごみのオブジェは、すべて猫の目線に合わせて作られ、通常の3~5倍の大きさ。福岡土産の定番「めんべい」や「チロリアン」、福岡ソフトバンクホークスのキャップなど、公演場所にちなんだ"ご当地ごみ"も散りばめられています。「24種類34点のご当地ごみがあります。どこにどんなごみがあるかは、観劇当日のお楽しみ」と福永さん。
日本初演時から携わる舞台美術家の土屋茂昭さんは「このごみたちは、もしかしたらあなたの兄弟が使っていた靴、息子が使ったおもちゃなのかもしれません。ただのごみではなく、思い出の集積。キャッツの劇場は、思い出が集積した場所なんです」と話します。
長期公演のラスト飾る
劇団四季が行ってきたキャナルシティ劇場での長期公演ラストを飾る「キャッツ」。福永さんは「私は2014年の福岡公演でキャッツの舞台監督を任せていただけるようになったこともあり、福岡には運命的なものを感じています。キャナルシティ劇場のラスト、悔いのないようにお客様に作品を届けたいです」と意気込んでいます。
土屋さんは「非常に個性豊かな猫たちが登場します。お気に入りの猫を見つけて帰ってください」と笑顔。「幸せのおすそわけをしたいと思って、四つ葉のクローバーを一つだけ作りました。この劇場のどこかに隠れていますので、探してみてください。定期的に場所も変わります。何度も見に来てください」
チケットは10月31日公演分まで発売中。公演スケジュールなどは公式サイトで。