水の大切さをデジタルアートで 福岡市水道局と九産大が企画

福岡市水道局で行われた、プロジェクションマッピングの試験投影

記事 INDEX

  • 100周年の目玉企画
  • 学生の成長の場にも
  • 初導入の水素バスが

 福岡市の水道事業が今年で創設100年を迎えたことを記念し、市水道局の本庁舎(福岡市博多区)で11月3、4日、プロジェクションマッピングが行われます。市水道局と、各地で投影を手がける九州産業大学(同市東区)がコラボして初企画。学生らは「映像や空間演出を楽しみながら、だんらんしてもらえたら」と来場を呼びかけています。

100周年の目玉企画

 「おおー!」
 「いいじゃん!」

 10月24日夜、市水道局の本館(6階建て、高さ約30メートル)の外壁に、プロジェクションマッピングが試験投影されると、見守っていた職員らから歓声が上がりました。カラフルな魚やサメ、亀などが、海藻やサンゴのある水中をゆらゆらと泳いでいきます。


試験投影を見守り、スマホで撮影する職員(左)も


 プロジェクターやパソコンを操作していたのは、九産大芸術学部の岩田敦之准教授(45)と学生たち。「(付近の)街灯が明るいから、光をもう少し強くしないと……」。日が落ちて気温も次第に下がる中、機械の角度を変えるなど調整を進めました。


機器を操作する岩田准教授(右)ら


 今回投影するのは、水族館をモチーフに制作し、学内で2021年に初披露した作品をリメイクしたもの。市水道局の「『水の大切さ』や『循環』も伝えられる内容に」との要望を反映したそうです。


 企画には学生有志7人が協力します。大学院1年の紀野はるかさん(23)は「コロナ禍が広がる中、地域の子どもたちにも心地よい時間を過ごしてもらおうと披露したもので、カラフルでにぎやかな色合いの作品です」と教えてくれました。


投影を見守る学生ら


 本番では、複数の壁面に映像が投影されるほか、機械を使いシャボン玉をたくさん飛ばす演出も予定しています。「今回は『水の循環』から、きれいな海のイメージを加えて作り上げました。だんらんなどを楽しみながら見てもらえたらうれしい」と呼びかけます。


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学生の成長の場にも

 コラボは、節目の年を迎えた水道局の職員が、プロジェクションマッピングを研究する岩田准教授に相談して実現。岩田准教授は2012年から作品制作を手がけており、16年に九産大へ。18年から年に数回、学生とともに作品を披露しており、YouTubeなどでも映像を公開しています。


 今年は水道局など学外からの依頼が増え、実施は計5回になる見込み。岩田准教授は「作品を多くの方に見てもらえるいい機会。学外ではそれぞれの条件下で作り込むので、学生にとって(社会に出る前の)実践的な経験になります」と話します。

 芸術学部4年の堀田七海さん(22)は「以前の投影では、施設のPRをしたいという要望に合わせて、SNSで事前の広報にもチャレンジしました。活動を通じて社会に関わる機会が得られ、ありがたいです」と振り返ります。


日没を待って作業を行う


 今回が2度目の参加という2年棈松(あべまつ)智也さん(20)は、プロジェクションマッピングについて「スマホやパソコンとは全く違い、視界に収まらないくらいの大きさでインパクトがあります」とPR。4年山田晃大さん(22)は「まちなかで披露するのは貴重な機会。親子連れはもちろん海外の方にも楽しんでほしい」と期待します。


初導入の水素バスが

 投影は11月3、4日の日没から21時まで。入場無料で、コーヒーや焼き菓子などの販売もあります。


水素バス「Moving e」(提供:福岡市)

 今回のイベントで使用する電気には、市内の生活排水に由来する水素を活用することにしています。


 福岡市の中部水処理センターは、下水から水素を製造し、車へ供給する水素ステーションを備えています。当日は、福岡市が初めて導入した水素バス「Moving e(ムービング イー)」が、センターの水素でイベント用の発電・給電を行います。


100周年記念事業に取り組む福岡市水道局


 大渇水を経験した同市は水道事業100年の歩みの中で、節水型の都市づくりを目指し、公共施設のトイレに下水の再生水を初めて活用したり、全国初の節水推進条例を施行したり、「初」の取り組みを進めてきました。今回のイベントでも、その先進的な取り組みの一端を披露する考えです。

 一帯では11月2~5日夜、一帯の寺社が鮮やかに照らされる「博多旧市街ライトアップウォーク『千年煌夜(せんねんこうや)』」が開催されます。市水道局技術管理課の福永晋也・技術調査係長は「100周年を記念した初の取り組みです。ライトアップウォークの会場からも近く、多くの方のご来場をお待ちしています」と話しています。

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