江戸の美をデジタルで体感!博多駅ビルで「動き出す浮世絵展」

江戸時代から愛されてきた浮世絵を、時代を超えてデジタルアートで表現

記事 INDEX

  • アートの世界にダイブ
  • 好みの空間を見つけて
  • 福岡ゆかりの作品も!

 葛飾北斎や歌川広重らによる浮世絵をプロジェクションマッピングなどで投影する展覧会「動き出す浮世絵展 FUKUOKA」が、福岡市博多区のJR博多シティ9階・JR九州ホールで8月17日まで開かれています。題材となる浮世絵は約300点で、作品の世界に迷い込んだかのような没入体験が楽しめます。

アートの世界にダイブ

 展覧会場は9エリアに分かれ、浮世絵の面白さ、楽しさ、美しさといった切り口で、それぞれの空間を演出しています。最先端のデジタル技術を用い、各エリア3~10分程度のアート映像を投影。高精細で臨場感あふれる作品を楽しめます。


水の表現を紹介する「藍」のエリア。波しぶきのダイナミックさが伝わる

 例えば、絵師たちの永遠のテーマであったという"水の表現"を紹介する「藍(あい)」のエリアでは、北斎や広重らが描いた大海や荒波をダイナミックに映します。

 また、美人画と花々で彩る「麗(うるわし)」をテーマにしたエリアでは、女性の優美な姿を表現しています。髪の毛一筋にまでこだわった繊細な筆遣いや、喜怒哀楽など「線」で描く表現の美しさを感じられます。


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好みの空間を見つけて

 会場内は一部を除き、ほぼ全てで写真や動画の撮影が可能(フラッシュや三脚の使用は禁止)です。


縁側からの景色イメージさせる空間。「花鳥画」を題材に、植物や生き物の生命の輝きを表現

 自然のありのままの姿を描いた浮世絵の一つ「花鳥画」を題材にしたエリアは、腰掛けられる椅子が配置され、縁側をイメージさせる空間です。投影される四季折々の風景を眺めながら、記念写真を撮っている人もいました。


大首絵に近づいてみると筆の力強さも分かる

 謎多き絵師・東洲斎写楽の「大首絵」を紹介する空間もあり、写楽が描いた歌舞伎役者たちがダイナミックに映し出されます。大首絵は天井からつるされた布に投影され、来場者は力強い筆遣いを間近で確かめることができます。


赤富士が投影された「雅」のエリア。浮世絵の世界に入り込んだかのよう

 最も広い「雅(みやび)」のエリアでは、特に鮮やかな作品を厳選して、壁全体に映し出します。"江戸のポップカルチャー"の世界に入り込んだような体験ができます。

福岡ゆかりの作品も!

 会場には実物の浮世絵も展示しています。色あせることのない表現技法や自由な発想などを、じっくり見比べることもできます。


江戸時代に描かれた実物の浮世絵なども展示

 展示の中には、福岡の情景を描いた浮世絵を紹介するコーナーもあります。

 荒々しい波や島々を描いた「西国名所之内 げん海なだ」は、玄界灘を上空から斜めに見下ろした構図で、雄大な自然と白波の対比を楽しめます。


福岡ゆかりの浮世絵。左から「西国名所之内 げん海なだ」、「諸国六十八景」の「筑前 筥崎」と「筑後 簗瀬」

 「諸国六十八景 筑前 筥崎」は博多湾を望む現在の福岡市東区箱崎を描いており、「諸国六十八景 筑後 簗瀬」は筑後川が題材になっています。

「動き出す浮世絵展 FUKUOKA」
会 期:2025年6月28日(土)~8月17日(日) ※会期中無休
時 間:10:00~20:00(入場は19:15まで)
場 所:JR博多シティ9F・JR九州ホール(福岡市博多区博多駅中央街1-1)
観覧料:大人2200円/高校・大学・専門学校生1800円/65歳以上1900円/中学生以下900円 ※3歳以下無料



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