テイクアウト容器を回収・洗浄して再利用 北九州でプラごみ削減の実証実験
記事 INDEX
- 八幡東区の東田地区で
- 昔ながらの習慣に着目
- 生活の新たな選択肢に
飲食店のテイクアウトで用いるプラスチック容器の削減を目指し、北九州市八幡東区の東田地区で、販売する弁当の容器を回収、洗浄して繰り返し使用する「リターナブル容器のシェアリング事業」の実証実験が1月12日から始まりました。新型コロナウイルスの感染拡大でテイクアウトの需要が高まり、プラスチックごみの増加が懸念される中、関係者は「新しい循環型社会の仕組みを構築したい」と話しています。
昔ながらの習慣に着目
事業は、環境ビジネスに取り組む「ジープレイス」(京都府)と「エックス都市研究所」(東京)が企画しました。飲食店の出前の皿を玄関先に置いて返却する昔からの習慣をヒントに、テイクアウトの容器を回収し、洗浄して再利用する仕組みです。
容器を店舗ごとではなく共同運用して一括管理することで、導入コストを抑えられるのが特徴。容器の回収や洗浄作業を社会福祉法人などが担うことにより、障害者が働く場の創出にもつなげたい考えで、環境省の補助金を活用しています。
生活の新たな選択肢に
実証実験は、SDGs(持続可能な開発目標)に力を入れる北九州市の東田地区を対象に、2月4日までの水、金曜に実施。同地区の北九州テレコムセンターロータリーに出店するキッチンカーが、ステンレス製の入れ物(縦13.5センチ、横18.5センチ、高さ5.5センチ)に竹製の蓋を付けた容器で弁当を提供します。
モニターとして協力する同センターなどに勤務する約60人や、キッチンカーの経営者、容器の洗浄を行う社会福祉施設の関係者から、容器の材質や使い勝手などについて意見を収集することにしています。
今後は、容器の流通などを管理するアプリの開発も進める方針。事業の開始時期は未定ですが、ジープレイス取締役の古川輝雄さんは「町単位でリターナブル容器が普及すれば、プラスチックごみの削減が進みます。まずは環境に配慮した生活の選択肢の一つとして提案していきたい」と話しています。