宗像ウニプロジェクト発足1年 おいしく育って品質に手応え

畜養ウニを使い、船越さんが考案した前菜

 海中の藻場が消失する磯焼けが起こった場所で大量発生し、藻場の回復を妨げるウニを駆除し、食用として陸上で育てる「宗像ウニプロジェクト」の発足1年を機に、プロジェクトを展開するプラント建設業の高田工業所(北九州市八幡西区)や福岡県宗像市などが蓄養ウニの試食会を開いた。2025年度の量産化を目指す。

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海洋環境の再生モデルに!

 「海の砂漠化」と呼ばれ、水産資源の枯渇を招く磯焼け対策を目的に、高田工業所と九州大大学院農学研究院、宗像漁協、宗像市が昨年5月に協定を締結した。食用部分の生殖巣が育っていない空ウニを捕獲し、陸上施設で蓄養。ブランドウニとして販売し、利益を捕獲費用に充てることで、海洋環境の再生モデル構築を目指している。


高田工業所がウニを育てている閉鎖循環型畜養実験施設

 九州大の水産実験所(福津市津屋崎)では、栗田喜久准教授らが、うどんチェーン「資さんうどん」でだしを取った後の昆布や、合馬観光たけのこ園(北九州市小倉南区)が提供したタケノコの廃棄部位などをウニに与え、食用部分の育ち方や味を研究。1月からは、高田工業所が宗像市鐘崎の閉鎖循環型蓄養実験施設で育てている。


駆除した空ウニ(左)と3か月餌を与えて食用部分が育ったウニ

「天然ウニとほぼ同等の味」

 試食会は6月9日に宗像市のフランス料理店「FRANCEYA」であり、オーナーシェフの舩越清玄さんが、蓄養ウニにグリーンピースのムース、コンソメジュレを合わせたオードブルを披露。試食した栗田准教授は「天然ウニの良質な個体と比べ、身の詰まりは70~100%で、味はほぼ同等。十分に戦える」と手応えを語った。


蓄養ウニを使ったオードブルを試食する栗田准教授(左)ら


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