ありのままの自分でいられる場所を 糸島のフリースクール「お山の樂校」

自然の中で子どもたちが過ごすフリースクール「お山の樂校」

記事 INDEX

  • 玄界灘を望む山の中
  • 食事も子どもたちで
  • 感じることを大事に

 動物と触れ合ったり、野山を駆け回ったり――。子どもたちが自然の中でのびのびと過ごすフリースクール「お山の樂校(がっこう)」が福岡県糸島市にあります。「生きることを楽しむ力や自分が大好きといえる心を育む」という理念が、従来の学校の枠にとらわれない教育を志向する保護者らの注目を集めています。

玄界灘を望む山の中


眼下には玄界灘が広がる

 お山の樂校は、糸島市二丈福井の竹林やヤブを切り開いた山中にあります。10平方メートルほどの校舎に炊事場、遊具などがあり、眼下に玄界灘が広がります。現在通学するのは、小学生18人と中学生2人。学校教育法に定めのない施設ですが、子どもたちは公立の小中学校にそれぞれ籍を置きながら、月~金曜にここへ通っています。


共同代表を務める富松さん(左)と田嶋さん

 開校は2019年春。糸島の保育施設で紙芝居を使った子ども向けワークショップを開いていた富松祥太さん(39)と、施設で知り合った田嶋杏依子さん(47)が、「公立校と違う、子どもが好きなことができる場所をつくりたい」との思いから、共同代表となって開設しました。


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食事も子どもたちで

 子どもたちは毎朝登校すると、今の気持ちや今日やりたいことを輪になって話します。掃除や料理、ニワトリの世話の担当を決めたら、あとは自由。工作やダンス、鬼ごっこなど思い思いに一日を過ごします。


ニワトリはみんなで飼育

 みんなで海に出かけたり、田んぼで農作業をしたりすることもあります。児童の一人、安田草弥くん(7)は「外で遊べて楽しいです。中学生になってもここにいたい」と笑顔です。


スケッチブックに絵を描いて算数を学ぶ時間も

 スケッチブックに絵を描いて算数を学ぶ時間や、一つのテーマについて意見を出し合う「哲学」の時間なども定期的に設けられています。楽しく過ごす中でも、考える力を身に付けられるよう工夫した学習を行っています。


昼食も自分たちで

 昼食も子どもたちが主体です。1週間分の食料を月曜に買いに行き、各日の当番が調理。食材を使いすぎて金曜に足りなくなることもありますが、富松さんは「何を作るかも任せていますし、こうしなさいと教えることはありません。子どもたちは自分の力で化けていくんです」と力を込めます。

感じることを大事に


建設中の新校舎

 樂校の存在は口コミで保護者に知られ、見学希望者や入学者も増えてきました。校舎が手狭になったため、新しい校舎の建設を進めています。

 新校舎は広さ70平方メートルほど。昨年、クラウドファンディングで資金を募り、700万円以上が寄せられました。子どもたちが探究したいことに集中できる図書室も設けるなど、さらに環境を充実させていく予定です。


新校舎のペンキ塗りをする子どもたち

 富松さんは「その子が感じることを何よりも大事にしたいと考えています。どんな自分であっても『自分』でいていい、そういう場所でありたいです」と話します。


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