めざせ頂点! 福岡市の玩具店が開発した「てっぺん積み木」
記事 INDEX
- 創業30周年で商品化
- 高く積むことを追究
- 0歳児から大人まで!
福岡産ヒノキの積み木で頂点を目指そう――。福岡市城南区の玩具店「つみきや」が開発した「てっぺん積み木」は、安定して高く積めることにこだわって作られています。乳児から大人まで楽しめ、それぞれの年齢に応じて遊び方は様々です。
創業30周年で商品化
高く積み上げることができる積み木とは? 店長の原田圭悟さん(38)に話を聞くと、その秘密はサイズにありました。
てっぺん積み木は厚さ12ミリ、幅24ミリ、長さ96ミリと、1:2:8の比率に統一されています。「この比率だと、いろいろな積み方をしても、途中で高さがそろうためバランスを保った造形が可能になります」と原田さん。つみきやの創業30周年に合わせて2023年9月に商品化しました。
高く積むことを追究
開発のきっかけは、とある挑戦でした。2018年、ヨーロッパから取り寄せた積み木で高さに挑戦し、14.8メートルを記録。21年には、つみきやが出店していた福岡市・天神の商業施設「イムズ」の吹き抜けで、「積み木タワーの高さ世界一」のギネス記録を目指しました。結果は11メートル余りにおわり、世界記録に届きませんでした。
2回の挑戦を経て、「福岡市の木材で作った積み木で世界一を目指したい」との思いを強くしたそうです。より高く積めるように素材やサイズの試行錯誤を重ね、てっぺん積み木が完成しました。
それまでの挑戦で使ったヨーロッパの積み木より厚みを出し、長辺を短くして安定感が増すように工夫。素材は、積み木に多く用いられるブナではなくヒノキを選びました。ブナより軽いヒノキは積み上げて崩れた際の安全性が高くなります。福岡市民に親しまれている油山から切り出したヒノキを採用し、香りの良さも感じられます。
商品名にある「てっぺん」は、一番高くなれるようにとの願いを込めています。しかし、この積み木で高さ記録に挑戦したことはまだありません。場所の確保や費用など解決すべき課題があるとのことです。
原田さんは「いつかはもう一度、ギネス記録を目指したいと思います。てっぺん積み木を使って記録に挑戦したい人がいれば協力もしていきたい」と話します。
0歳児から大人まで!
高さを重視して開発した積み木ですが、0歳児から遊べます。手にしてカチカチと打ち鳴らすのも、ポイと放り投げるのも立派な遊び。イベント会場などでは、自分の背丈ほどの高さまで積み上げて達成感に目を輝かせる子どもや、昔懐かしい遊びに没頭する大人の姿も見られるそうです。
原田さんは「発育に応じて自由な発想で積み上げたり、親子で高さを競ったりと、様々な遊び方があります。子ども同士、親子、また異なる世代間で楽しめ、誰かと誰かをつないでくれます」と積み木の魅力を語ります。
11月9日に福岡市中央区の市鮮魚市場会館周辺で開かれる「福岡市農林水産まつり」では、「森のプレイルーム」が設置され、てっぺん積み木で遊ぶことができます。
つみきやの店舗は遊び場スペースを併設しており、積み木のほか、店舗で扱っているおもちゃを自由に楽しめます。遊び場の利用は予約がおすすめとのことです。
てっぺん積み木は、福岡市のふるさと納税の返礼品にもなっています。納税で福岡市を応援して、返礼品の積み木を囲んで家族の時間を過ごすのも楽しそうです。