中村学園短大の学生が学食を運営 木・金限定で!学びを実践
栄養士を目指す中村学園大短期大学部(福岡市)の学生が、学食の運営を始めた。毎週木、金曜の限定営業で、健康に配慮した一汁三菜のメニューを提供。5月11日からは学外の一般客も利用できるようにした。学生たちは「栄養バランスの取れた食事を多くの人に食べてもらいたい」とアピールしている。
一汁三菜の健康ランチ
運営するのは食物栄養学科の2年生約80人。授業の一環で、毎回12人が調理場に立つ。野菜の量200グラム以上、食塩相当量は2.5グラム以下に抑えたランチ(税込み500円)を用意している。
メニューは、毎食異なる。4月下旬は、たっぷりのキャベツとトマトが添えられたチキン南蛮、色鮮やかなにんじんシリシリ、キノコとシラスのおろしあえ、青菜と揚げのみそ汁を用意。塩分を抑えるため、みそ汁は青菜をたくさん使う一方、汁を少なめにした。チキン南蛮も、表面に甘酢ダレを絡ませることから、肉に下味をつけずに余分な塩分を抑えたという。
完食した流通科学部2年の徳田颯太さん(20)は「あまり野菜を食べないので、お昼でこんなに取れるのはありがたい」と笑顔を見せた。
学外の人も味わって!
学食として使われている食堂は普段、給食事業を担う同大のグループ会社が、学内の別の場所で調理したランチを運び込んで販売している。調理場は長く使われていなかったといい、食物栄養学科の森脇千夏教授が「学生の実践の場にしたい」と発案。2、3月の春休みに学生と調理場を清掃し、4月にオープンさせた。
同学科の中和陽向(ひなた)さん(19)は「こんなに大量の食材を扱うのは初めて。使う調理器具もこれまでの実習と異なり、慣れるのが大変だけど、『おいしそう』という生の声を聞けるのはうれしい」と語る。
学生たちは現在、調理と接客を担っているが、今後はメニューの考案や食材選び、予算管理、宣伝も手がける予定だ。限定150食を用意する。中和さんは「食を提供する責任の重さを感じますが、健康的なメニューを学外の人にも味わってほしい」と話している。