おかえり博多祇園山笠 疾走する舁き山笠で夏へ一直線!
「オイサ、オイサ」――。山笠(やま)を舁(か)く男たちが威勢のいい声を響かせて、街を駆け抜ける。福博の街を祭り一色に染める「博多祇園山笠」が福岡市で開幕。コロナ禍で2年連続中止となった舁き山笠も3年ぶりに行われ、クライマックスの「追い山笠」(15日)に向けて、博多の夏は一気に熱を帯びていく。
壮麗!13基の飾り山笠
博多祇園山笠は780年以上の歴史がある博多伝統の夏祭り。疫病が流行した鎌倉時代、聖一国師が祈祷(きとう)水をまいて町を清めたのが起源とされる。
福岡市内では、高さが10メートル前後にもなる壮麗な飾り山笠が、櫛田神社やJR博多駅前、商業施設など13か所で公開されている。
同市中央区の大型商業施設「MARK IS(マークイズ)福岡ももち」では、今年から飾り山笠が初めて設置された。施設の吹き抜け部分に登場した飾り山笠を、上階やエスカレーターなど様々な角度から楽しむ買い物客らの姿が見られる。
3年ぶりの舁き山笠
11日には、祭りに参加する各流(ながれ)の舁き山笠が地元を離れて走る「他流舁き」が行われた。博多駅前には四番山笠・東流が舁き入れ、広場に集まった見物客が盛んに拍手を送っていた。
博多区の自宅そばで準備の整った舁き山笠を見つめていた中村仁さん(84)は「博多の夏がようやく戻ってきたという思いです。追い山笠が近づくにつれてドキドキしますね」と興奮気味に話していた。
13日午後には、祭り期間で唯一、舁き山笠が天神地区に入る「集団山笠見せ」がある。15日早朝に始まる「追い山笠」で、男たちの夏は最高潮に達する。