博多祇園山笠が開幕! 上川端商店街に「ガンダム山笠」現る

飾り付けられたガンダムやサザビーの博多人形

記事 INDEX

  • ガンダムで街を熱く!
  • 躍動するモビルスーツ
  • 特別なぜんざいも用意

 福岡市に夏の訪れを告げる「博多祇園山笠」が7月1日に開幕しました。市内各所で「飾り山笠(やま)」の公開が始まり、博多区の上川端商店街には人気アニメ「機動戦士ガンダム」をモチーフにした飾り山笠が初登場。同商店街は”走る飾り山笠”で知られ、長い祭りの歴史で初めて、ガンダムの山笠が街なかを疾走します。

ガンダムで街を熱く!

 7月15日までの山笠期間中、博多人形師が思いを込めて制作した飾り山笠が市内13か所で展示され、街行く人を楽しませます。最終日の早朝には各流(ながれ)の男たちが「舁(か)き山笠」を担ぎ、「オイサ、オイサ」の掛け声で街を走り抜ける「追い山笠」が行われ、祭りの熱気は最高潮に達します。

 八番山笠の上川端通は、この追い山笠にも参加する唯一の飾り山笠です。飾り山笠の装飾は、櫛田神社を向いた表に施す武者や歴史ものに対し、裏側の見送りは童話やアニメを題材にすることが多く、上川端通は今回初めてガンダムを選びました。


ららぽーと福岡に立つ実物大ガンダム(2022年撮影)


 テレビ放映の開始から今年で45年を迎えた機動戦士ガンダムは、最初のシリーズ以降も新作がリリースされ、海外にも多くのファンがいます。福岡市内は、キャナルシティ博多に国内屈指の「ガンプラ」販売拠点、ららぽーと福岡に実物大「ν(ニュー)ガンダム立像」(高さ24.8メートル)があり、海外からも熱い視線が注がれています。


 今年は上川端商店街が山笠に参加して60年の節目にもあたることから、福岡観光の新たな”目玉”として存在感を高めているガンダムとのコラボが実現したそうです。


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躍動するモビルスーツ

 八番山笠の見送りの標題は「ガンダム 博多迅雷伝」。山笠は高さ10メートル、重さ2トンを超え、人形飾りが動く仕掛けも見どころの一つです。


山笠に飾られるガンダム。人形の高さは約2.5メートルという(6月29日撮影)


 モデルは、ららぽーと福岡にそびえる「RX‐93ff νガンダム」です。映画「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」(1988年)の機体をベースに富野由悠季監督が監修し、鮮やかなトリコロールのカラーリングが施されています。


 過去にないテーマに挑んだ人形師は、田中勇さんです。映画で繰り広げられた戦闘シーンを飾り山笠で表現し、博多人形のガンダムやサザビーなどのモビルスーツが躍動。雷鳴がとどろくような大胆な”構図”の中に、繊細な造形が随所にみられます。


アーケード内に現れたガンダム山笠


 子どもの頃からガンダムファンという田中さん。飾り付けが大詰めを迎えた6月29日、「見てくれた人に『格好いいな』って言ってほしい」と商店街で作業を進めました。眼球がないガンダムの表情をつくるのに苦労したそうで、どの角度からでも”格好良さ”が伝わるように微調整を続けました。「街なかを疾走するのが楽しみです」


飾り山笠を見上げる田中さん(6月29日撮影)


 表の標題は、「不惜身命真田幸村公(ふしゃくしんみょうさなだゆきむらこう)」。大坂冬の陣(1614年)で徳川軍と相まみえた武将・真田幸村が、豊臣家の恩義に報いるために、負け戦と分かりつつ命を懸けて戦う姿を描いています。


表の「不惜身命真田幸村公」。商店街関係者らがお披露目を祝った


特別なぜんざいも用意


 1日は商店街で飾り山笠のお披露目会が開かれ、関係者が出席しました。田中さんは「(制作が)楽しくて、もうちょっと作っていたかった」と振り返りました。八番山笠の長﨑正洋総務は「先輩たちの思いをのせて、頑張って走らせたい。応援よろしくお願いいたします」と話しました。


お披露目会に出席する長﨑総務(手前右端)やゲストで招かれた歌手の森口博子さん(中央)ら


 博多の街を初めて走るガンダム山笠。12日15時59分から最終日のリハーサル「追い山笠ならし」があり、クライマックスの追い山笠は15日4時59分から。祭りが終わると、飾り山笠はアーケード内の川端ぜんざい広場で1年間展示されます。


ぜんざいと、ガンダムとコラボした持ち帰り用パッケージ


 川端ぜんざい広場では1日から、今回のコラボと足並みをそろえた「博多川端ぜんざい(ガンダムVer.)」(税込み900円)の販売がスタート。持ち帰り用のパッケージにガンダムがデザインされ、ノベルティーとしてキャラクターシール1枚が付く限定品で、なくなり次第、販売終了となるそうです。



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