迫力の武者絵大燈篭 博多の夏祭りを締めくくる「大浜流灌頂」
福岡市博多区の大博町周辺で、江戸時代から続く伝統行事「大浜流灌頂(おおはまながれかんじょう)」が8月26日まで開かれている。
江戸時代から続く伝統行事
江戸時代の1756年(宝暦6年)、当時相次いだ大雨災害や疫病流行で亡くなった人々を弔うために始まったとされる。
「灌頂」とは、菩薩(ぼさつ)が仏になるとき、その頭に諸仏が水を注ぎ、仏の位に達したことを証明すること。真言密教では、阿闍梨(あじゃり)から法門を伝授されるときに行われる儀式だ。
流灌頂は、灌頂の幡(はた)などを川や海に流して水死者や無縁仏などを供養するために行われる。近年では、先祖や初盆を迎えた人々の供養のため、東長寺一山の僧侶による読経が行われ、エリア内の4か所には博多最後の絵師といわれる海老崎雪渓などの武者絵が設置される。
8月24日に始まった夏祭りの期間中、原三信病院北側の流灌頂通りなどは夕刻から歩行者専用に。夜店が並ぶ通りに掲げられた武者絵大燈篭(とうろう)がライトアップされている。
(写真:大野博昭)