女子ソフト「タカギ北九州」が奮闘中!初参戦のトップリーグで

足立山を背に、笑顔で写真撮影に臨む選手たち

記事 INDEX

  • 東芝の歴史を継ぎ
  • 最下位脱出なるか
  • 必勝期すホーム戦

 北九州市を拠点とする女子ソフトボールチーム「タカギ北九州ウォーターウェーブ」が、今春発足した新リーグ「ニトリJDリーグ」で奮闘しています。九州からの参戦はタカギ北九州だけ。10月14~16日には北九州市でのホーム戦が予定され、「地域の応援は大きな力になる。試合で躍動する姿を見てほしい」と観戦を呼びかけています。

東芝の歴史を継ぎ

 「さぁ、いこう!」
 「ナイスボール!」

 9月上旬、北九州市小倉南区の曽根臨海公園グラウンド。練習に臨む選手たちの声が、残暑を吹き飛ばすように響いていました。


グラウンドで練習に励む選手たち

 「犬を連れた近所の方が、『応援してるよ』と声をかけてくださる。『東芝』からの歴史があり、地元の皆さんに親しまれていると感じます」。大阪府出身の来條(らいじょう)美穂監督(44)は話します。

 浄水器・散水用品メーカーのタカギ(北九州市)の実業団として、2017年2月に発足した"若い"チーム。ただ、ルーツは、半世紀以上前の1969年に創部した、東芝北九州工場の実業団チームにさかのぼります。

 同チームは日本女子ソフトボールリーグで九州唯一の実業団として活躍。2012年に2部で優勝し、1部昇格の権利を獲得しましたが、同じ年に工場が閉鎖となり、解散を余儀なくされました。


タカギ北九州ウォーターウェーブのロゴ


 しかし、チームの歴史を引き継ぎたいと、一部の選手らがクラブチーム「CLUB北九州」を結成。その後、スポンサーの立場で支援していたタカギが受け皿企業として名乗りを上げ、現在のチームになりました。


 クラブ時代から所属し、昨年で現役を引退したデータ分析スタッフの畠田奈実さん(29)は「クラブの頃からいろいろな企業や地域の人に応援してもらい、今がある」と地元への感謝の思いを語ります。


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最下位脱出なるか


シーズン終盤に向け、士気を高める来條監督(右奥)や選手たち

 今春発足のJDリーグには、昨季の日本女子リーグ1部12チームに、2部だったタカギ北九州などの4チームを加えた計16チームが参加し、東西2地区に分かれて争います。

 レギュラーシーズンは、日本代表の活動に伴う中断期間を挟み、3~6月と9~10月に実施。五輪出場選手らを擁する強豪チームがそろう中、タカギ北九州は4勝19敗(10月2日終了時点)と、西地区8チームの最下位です。

 力の差が否めない面もあり、開幕当初こそ8連敗しましたが、5月下旬に北九州市民球場で行われた東地区との交流戦で2連勝するなど光も見えてきました。「疾走、声だしなど全力プレイの徹底で、強敵とも接戦に持ち込めている。勝利までの『あと一歩』を、中断期間に強化してきた」と主将の乙津向茄秋(ひなの)捕手(25)は話します。


声を張り上げ、練習中もチームを引っ張る乙津主将(中央)

 リーグトップレベルの個人成績をマークする選手もいます。樋口菜美外野手(28)は本塁打数で西地区の首位を競っており、「現状に満足せず、よりよい成績を残したい」と意気込んでいます。

必勝期すホーム戦

 タカギでは選手18人全員を社員として雇用。おおむね午前中は工場や事務の仕事に就き、午後はグラウンドなどで練習に励んでいます。職場は様々で、副主将の佐藤果歩外野手(26)はフォークリフトの免許を取り、工場で活躍しているそうです。

 乙津主将が大分県、鹿野愛音投手(20)が熊本県出身であるほかは、多くの選手が九州外から集まっています。「大阪のように気軽に声をかけてくれる」(大阪出身の来條監督)、「魚が豊富で暮らしやすい」(徳島出身の樋口選手)と、北九州に愛着を感じているそうです。


後半戦は勝ち越しを目指す

 最近では、リーグ外の全日本総合女子ソフトボール選手権大会で9月23、24日、山梨学院大とデンソーにそれぞれ勝利し、夏場の調整に手応えを感じています。JDリーグの後半戦8試合では、勝ち越しが目標です。

 「一生懸命やってくれる選手に感謝しかない。試合で躍動する姿を見てほしい」と来條監督。ファンへの思いも熱く、「全力疾走、全力プレイ。できることを徹底してやりきって、見ている人に何かを感じてもらいたい」と話します。

 西地区7位の東海理化とタカギ北九州の差は、勝ち数2。最下位脱出に向けて、ホーム・北九州での3連戦で弾みをつけたい考えです。

 3連戦は、いずれも北九州市民球場で実施。9月上旬に台風のため実施できなかった豊田自動織機との対戦が14日18時からに振り替えられたほか、15日は日本精工、16日はSGホールディングスと13時30分にプレーボール。チケットはJDリーグのサイトで購入できます。試合日程のページなどから、ネット観戦も可能です。



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