「原点回帰」でJ2をつかめ! ギラヴァンツ北九州が始動

 サッカーJ3・ギラヴァンツ北九州は1月12日に全体練習を始め、「原点回帰〜最後まで走り・闘う〜」を掲げた今季の戦いに向け、新たなスタートを切りました。

今季こそ!決意を新たに

 練習拠点の新門司球技場には、今季から指揮を執る田坂和昭監督と選手、スタッフが集まり、新たに就任した石田真一社長も姿を見せました。グラウンドの安全祈願を行ったあと、選手たちはランニングや体幹トレーニングなどで汗を流しました。


練習に先立って安全祈願を行った

 神事を執り行った甲宗八幡宮の大神良彦宮司は、1993年の「ドーハの悲劇」以来のサッカーファン。今季のギラヴァンツに対して「まずは守備。昨シーズンは失点が多かった。V.ファーレン長崎で経験を積んで戻ってきた村松(航太)選手に注目しています。若い選手が多いので、走って点を取ってほしい」と期待を込めました。

 チーム始動日を迎え、「すごくワクワクした気持ちで来た」と田坂監督。練習前のミーティングでは「北九州の新しいサッカーをチームに浸透させなければいけない。市民やスポンサーのために地域を活性化していくのがチームの目的。目標はJ2昇格。この二つをブレないよう常日頃から考えていかないと」と選手たちに訴えました。


ギラヴァンツの指揮を執る田坂監督

 また、昨年のワールドカップで見えた世界の潮流が「サッカーの原点回帰」だったとし、「ハードワークや魂を見せて戦うことが、見る人の感動を呼ぶというスポーツの原点を踏まえながらチームをつくっていきたい。フロントもチームも、そしてサポーターも一丸となって原点回帰し、結果を出していきたい」とコメントしました。

 昨季のキャプテン・前川大河選手は「去年はなかなか結果を出せなかったので、今年こそは応援してくれている人たちに恩返ししたい。J2昇格に向けて何としても結果を残したい」と力を込めました。


今季の活躍に期待がかかる岡田選手

 新加入の岡田優希選手は昨季、J3・テゲバジャーロ宮崎で14得点と活躍。「昨年対戦した時に、ミクスタ(ミクニワールドスタジアム北九州)でプレーしたいと心から思いました。僕のプロ初ゴールが2020年のミクスタだったので縁を感じます。若くて勢いのある選手が多いので、すごく楽しみ。ゴール、アシスト、勝利に導けるすべてのプレーが自分の武器」とアピール。新天地でのプレーに期待がかかります。


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躍動感あふれるプレーを

 15日にはファン・サポーターら約500人を集め、新体制発表会を北九州国際会議場で開催。田坂監督とスタッフ、選手28人が顔をそろえました。


ファン・サポーターの前に整列した監督、選手、スタッフら

 石田社長は「ステークホルダーの満足度を向上させる。地域活動を積極的に行い、地域のつながりを創出する存在を目指す」とクラブ運営の方針を説明。小林伸二スポーツダイレクターが「最後まであきらめずに走る北九州のサッカー」への原点回帰、育成クラブへの転換といった強化指針を示しました。


クラブの運営方針を説明する石田社長

 田坂監督は、始動日に選手にも示した「走姿顕心(そうしけんしん)=走る姿にその人の心が顕(あらわ)れる」という言葉を引用しながら、ハードワークに徹し、団結力のあるチームをつくって、J2昇格を目指す決意を改めて表明しました。


新戦力の10人と飛躍を誓う

 今季も多くの選手が入れ替わったギラヴァンツですが、10人の新入団選手の中で注目の1人が、ギラヴァンツ北九州U-18からトップチーム昇格を果たした坪郷来紀選手です。ユースから直接トップチームに昇格したのは2015年入団の梶原夕希也選手(現・ギラヴァンツスクールコーチ)以来2人目です。


U-18から昇格した坪郷選手。若い力に期待

 北九州市出身の高校3年生で、中学1年からギラヴァンツのユースに所属。「子どもの頃から応援し、生まれ育った街のクラブでプレーできるのがうれしい。持ち味はスピードを生かしたドリブルや突破、攻守ともにハードワークできるところ。多くの試合に絡んで1点でも多く点をとっていきたい」とコメントしました。

 発表会の後半に行われたトークショーでは、選手たちの素顔が垣間見られ、軽妙なトークや一発芸で会場が沸くシーンも。それぞれがシーズンへの決意などを書いたサイン色紙は来場者に抽選でプレゼントされました。


2023シーズンのユニホーム

 昨季は、1年でのJ2復帰を掲げながらも、昇格争いに絡めないまま18チーム中13位という不本意な結果に終わりました。平均年齢23歳という若いチームには、J2復帰とともに、躍動感あふれるプレーで北九州を盛り上げていくことが期待されます。



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