収穫増に広がる笑顔 地島のサツマイモ栽培復活プロジェクト

芋掘りを楽しむ子どもや学生たち

記事 INDEX

  • 島民たちの期待も高まる
  • 島内外70人が作業に汗
  • 11月6日にPRイベント

 福岡県宗像市の離島・地島で、半世紀前まで盛んだったサツマイモ栽培を復活させるプロジェクトが広がりを見せている。本格栽培2年目の今秋は北九州市の2大学も加わり、目標だった約1トンを収穫。品質を評価した老舗の菓子店などから仕入れや農地視察の申し込みが相次ぎ、地島ブランドのサツマイモが徐々に浸透しつつある。

島民たちの期待も高まる

 取り組んでいるのは、島に思い入れのある会社経営者や離島振興に関わってきた公務員らでつくる「地島応援団」(井上憲司団長)。漁業に並ぶ新たな収入源を確保することで若い世代の定住を促し、有人の島を守っていくのが狙いだ。


耕作放棄地を開墾し、再生したサツマイモ畑

 島民の減少や高齢化で荒れ地になっていた農地の開墾に4年前に着手。今年は本場・鹿児島県曽於市の農家へ研修に出かけ、島内4か所、約700平方メートルで苗を植えた。活動を続ける中で島の人たちの理解や期待も高まり、島民自身が栽培を始めたり、水やりやイノシシ対策に協力を得られたりするようになり、昨年を400キロ上回る1トンの収穫に結び付いた。


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島内外70人が作業に汗

 10月2日に現地で開いた交流会には、島内外から約70人が参加。社会教育や生涯学習が専門の山田明・九州共立大教授の指導で、同大と九州女子大の学生22人が「地島プロジェクト」として加わり、島民や漁村留学の児童らと芋掘りや運搬に汗を流した。


掘ったイモを手にする漁村留学の児童や大学生ら

 体育の教員を目指す岩瀨弘太郎さん(21)は「島の雰囲気を感じながら子どもたちと活動できていい経験になった。住民の手が届かなかったり、負担が大きかったりするところで大学生の力を生かしていけたらいい」と話す。


畑の脇で芋を焼いて味わった

 宗像、福津、久留米、八女市内のフランス、イタリア料理店や菓子店、仕出し料理店などから引き合いがあり、和洋の菓子やおせち料理、焼き芋として消費者の元に届けられる。応援団では、将来的に島民自らが加工し、出荷できるよう、干し芋の開発にも挑む。

11月6日にPRイベント

 地島応援団は11月6日午前10時から、福津市の宮地嶽神社門前町で松ヶ枝焼を製造・販売する「島屋」を会場に、地島産サツマイモのPRイベントを開く。


昨年のイベントの様子

 イモやイモを使った松ヶ枝焼、ようかん、甘納豆などのほか、曽於市の農家による焼き芋を販売する。応援団事務局は「たくさんの人に地島産のおいしさを知ってもらいたい」と期待している。問い合わせは島屋(0940-52-0006)へ。


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