参上!小倉城武将隊 知名度向上へ全力エンターテインメント
記事 INDEX
- 小倉城で働くメンバーも
- 「楽しかった」納得の初陣
- 育て!シビックプライド
「小倉城武将隊」参上! 北九州市の観光名所の一つ、小倉城に武将隊が誕生しました。10月15日、「小倉城(しろ)まつり」のオープニングイベントで初陣を飾り、大勢の観衆を魅了しました。
小倉城で働くメンバーも
初めての舞台は「細川忠興列伝」。初代小倉藩主・細川忠興が小倉城を築城するまでを紹介する約20分間のステージで、迫力ある殺陣と演技の中に、笑いを時折織り交ぜながら会場を沸かせました。
午後のステージでは武将隊の先輩「熊本城おもてなし武将隊」がゲストで登場。演舞披露の後は二つの武将隊によるコラボレーションも実現しました。フォトセッションではたくさんのカメラに囲まれ、来場者との記念撮影に笑顔で応じていました。
全国に点在する武将隊ですが、小倉城武将隊の大きな特徴は、メンバーが本格的な殺陣や演技をこなせる"劇団・小倉城武将隊"である点です。
北九州は演劇が盛んで、多くの劇団員や俳優がいますが、アルバイトをしながら活動する人が多いといいます。ならば、小倉城で仕事をしながら稽古に打ち込んでもらおうと、武将隊のメンバー17人の半数が普段は小倉城や隣接する「しろテラス」のスタッフとして働いています。
「楽しかった」納得の初陣
今回、演技指導をしながら、細川忠興の役を務めたのは大神拓哉さん。大河ドラマ「真田丸」で黒田長政を演じた俳優で、「小倉の天神様」として知られる菅原神社の神主でもあります。
細川忠興は天正の兵乱により荒廃した甲宗八幡宮(門司区)を再建していますが、大神さんは甲宗八幡宮の神職を代々務める家系でもあり、忠興を演じることにある種の運命を感じます。
黒田長政役で登場した俳優・大成翔輝さんは北九州市若松区の出身。大神さんの誘いで小倉城武将隊に参加したそうです。
「本当に楽しかった。たくさんのお客さんが見に来てくれて驚きました。アクションや殺陣を経験してきた俳優としても、自分たちが見せる舞台をかっこいいと思ってもらえればうれしいですし、小倉や北九州のにぎわいに貢献していければと思います」と、初陣の感想と今後の意気込みを語りました。
育て!シビックプライド
2009年に「名古屋おもてなし武将隊」が結成されたのを皮切りに、各地に広まった武将隊。九州では12年にできた熊本城おもてなし武将隊が抜群の知名度を誇っています。"群雄割拠"の中、なぜ小倉にも武将隊が生まれたのでしょうか。小倉城の運営をプロデュースする「筆頭家老」のKA-TSUさんは、大きく二つの理由を挙げます。
一つは小倉城の知名度を上げるため。熊本市を訪問する人の30%超が熊本城に足を運んでいるのに対し、北九州市を訪れて小倉城に立ち寄ったという人は2%ほど。存在が知られていない現状を変え、勝山公園を含む一帯をエンターテインメントエリアとして知ってもらうコンテンツとして、「小倉城にも武将隊を!」と考えたそうです。
もう一つは、北九州市民のシビックプライドを醸成すること。「街に愛着はあるのに、誇りを持てない」という複雑な感情の北九州市民は少なくないと言われ、「福岡が大好きで福岡を誇りに思っている福岡市民」とは対照的です。武将隊が地域教育の役目を担い、小倉城や北九州の歴史・文化を発信することで、地域への誇りを市民に持ってもらうことも目的にしているといいます。
次回作は「武蔵と小次郎」を予定。続いて、細川家の後に小倉城主となった小笠原忠真らをメインにした舞台を計画しています。北九州市内外での出演依頼にも応えていきたいとのことで、イベントなどで披露する演舞も準備しています。
武将隊の活動を起爆剤に、小倉城と北九州市の存在を全国、アジア、世界へ広め、市民が誇れる北九州に――。5年後、10年後を見据えた取り組みが始まりました。
今後のスケジュールなどは公式サイトやSNSで確認してください。