福岡の食をユニバーサルに! 飲食店がビーガンメニュー開発

「磯ぎよからず博多本店」が開発したビーガン料理

記事 INDEX

  • 世界水泳を機にチャレンジ
  • スイーツや和食のコースも
  • 六本松 蔦屋書店でイベント

 福岡市内の飲食店25店が、動物性食品などを口にしないビーガン・ベジタリアンに対応したメニューを開発しました。食のユニバーサル化に取り組む福岡市の支援事業の一環で、関係者らを対象にした試食ツアーが2月1日に一部店舗で行われました。

世界水泳を機にチャレンジ

 福岡市では、今夏開催される「世界水泳福岡大会」やインバウンド(訪日旅行)の復調を見据え、多様な食文化をもつ外国人観光客らに福岡の食を楽しんでもらえるよう、食のユニバーサル化に取り組んでいます。


ホテルオークラ福岡の谷内雅夫総料理長(福岡市提供)


 今回、ビーガン・ベジタリアンメニューの提供を希望する飲食店を募り、手を挙げた25店が開発を進めてきました。ホテルオークラ福岡(博多区)の総料理長・谷内雅夫さんがメニューの監修を担当しました。


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スイーツや和食のコースも

 試食ツアーには、報道陣のほか、ビーガン普及のプロジェクトなどに取り組む関係者が参加し、4店舗を巡りました。

 コーヒーなどを提供する「リトルスタンド大名店」(中央区大名)は、看板商品をビーガン対応にアレンジ。チャイの茶葉を漬け込んだ豆乳クリームをのせた「豆乳バリチャイ」や、小麦粉の代わりにオートミールなどを用いた「ヴィーガンワッフルアイスサンド」など、濃厚な香りと甘さを楽しめるメニューを完成させました。


「リトルスタンド大名」で提供される「豆乳バリチャイ」

 店主の野方寿倫さんは「大名には外国人も多く、ビーガン対応のメニューを作りたいとずっと思っていました。知識もなく難しいと感じていましたが、今回、食材をはじめ様々なアドバイスをいただき、いいものができたと思います」と話しました。

 和食のコースを提供するのは「磯ぎよからず博多本店」(中央区清川)です。こんにゃくで再現した刺身や、米油で揚げた野菜の天ぷら、「大豆ミート」で代用したかしわ飯など9品をそろえました。


「磯ぎよからず博多本店」でメニューの説明を受ける参加者たち

 店主の成松惣一朗さんによると、精進料理もある和食は、ビーガンとの相性は比較的よいそうです。成松さんは「これから海外のお客様も増えると思うので、四季折々の野菜を使った日本にしかないコースを楽しんでほしいです」と期待していました。

 このほかにも、フレンチやイタリアン、カレー専門店など幅広い料理店がビーガン対応のメニューを用意しました。福岡市は今後、ビーガン・ベジタリアンに対応した店舗の情報をまとめ、マップや動画で発信する予定とのことです。

 市の担当者は「世界水泳に向けて観光客の皆さんに福岡のおいしい食を楽しんでもらいたいと思って取り組んでいます。福岡に住んでいる人も含め、ビーガンなど食の多様性を考える機運の醸成につながれば」と話しています。 

六本松 蔦屋書店でイベント

 2月10~12日には、「六本松 蔦屋書店」(中央区六本松)でもビーガンを知って楽しむイベント「ふくおかヴィーガンetc.フェスティバル」が開かれます。


ふくおかヴィーガンetc.フェスティバルのチラシ(福岡市提供)


 10日に行われる「みそづくり」、11日の「ピクルスづくり」のワークショップは募集を終了しましたが、会場では、パネル展示のほか、ビーガン対応のスイーツやパンの販売も行われます。

 これまでビーガン・ベジタリアンになじみのない人も、これを機に体験してみてはいかがでしょうか。



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