住民の手で「門司かるた」が完成 地域の歴史や文化を楽しく学ぶ
記事 INDEX
- 学びの集大成として
- 地元の高校生も参加
- 門司の歴史をつなぐ
北九州市門司区の文化や歴史、自然を題材にした「門司かるた」が完成しました。地域住民が自ら講座を企画して学ぶ「新・元気塾」のメンバーを中心に制作。将来的な商品化も目指しており、「門司のみんなが参加した事業。広くみんなに使ってほしい」と呼びかけています。
学びの集大成として
北九州市では、自主的な学びの場が人々の自己実現や地域づくりにつながる「循環型生涯学習社会」を目指し、市民自らが企画して学ぶ講座を各区で実施しています。
前身の団体を含めると2005年から続く門司区の「新・元気塾」は、地元の歴史を学んだり、コンサートを企画したりする講座を開催。これまでの学びの集大成として、2019年に「門司かるた」の制作をスタートさせました。
川柳の講師を招いて詠み句の練習をしたり、かるたの歴史を学んだりして準備を進め、取り上げる題材を決定。20年には、運営委員と受講生約40人に加え、区内の市民センターに投稿箱を設置して住民からも詠み句を募集しました。
地元の高校生も参加
451の作品が集まり、その中から「新・元気塾」のメンバーが44句を選びました。地元の高校生も参加し、絵札のデザインは敬愛高校の美術部が、読み札の文字は同高と門司学園高校の書道部が担当しました。
完成したかるたは、絵も文字も一つひとつがオリジナルで個性的なデザイン。題材も、ワカメを神前に供えて航海の安全と豊漁を祈る和布刈(めかり)神事や、門司港発祥とされるバナナのたたき売りといった歴史にまつわるものから、人々に親しまれる老松公園や門司ゴルフ倶楽部まで幅広い内容です。
「20年近い活動に携わってきたみんなの思いが詰まった、とてもいい事業だと思います」と、「新・元気塾」運営委員の杉本あつ子さんは笑顔です。
門司の歴史をつなぐ
2月上旬から3月上旬には、かるた完成を記念してJR門司港駅や栄町銀天街などでパネル展示も行いました。4月からは区のコミュニティ支援課を通じて貸し出しを始める予定です。将来は商品化して介護施設や小学校で使ってもらうことも考えています。
「新・元気塾」運営委員長の都城俊彰さんは「かるた作りを通じて自分も知らない門司の史跡について学ぶことができました。かるたを使って子どもたちにもいろいろな場所を知ってもらい、歴史をつないでほしい」と願っています。