市民の目線で!「むなかた魅力発信アンバサダー」が活動開始

アンバサダー事務局の公式インスタグラム

 世界遺産の沖ノ島に代表される歴史や文化、食など、多様な財産を持つ宗像の魅力を市民目線で掘り起こし、SNSで発信するアンバサダー制度が始まった。SNSならではの発信力と「ささる」投稿で、市を広くPRする戦略だ。

多彩な12人が投稿!

 福岡県宗像市は2023年、行政の広報誌や公式SNSだけでは伝え切れない魅力を、市民の目線で発信してもらう狙いで、「むなかた魅力発信アンバサダー」を公募。子育て世代や移住者、TikTokクリエイター、オートレーサーら、応募した20~50歳代の男女12人を任命した。

 12月に活動を始め、写真の撮り方や歴史を学ぶ研修、ミーティングを重ねながら、それぞれが魅力と感じる味や風景、イベントなどについてインスタグラムとTikTokで発信している。

 特に投稿が多く、人気が高いテーマが「食」。アナゴやとらふくなどの宗像を代表する食材や、それを生かしたフェアであれば行政でも企画や発信ができるが、個別の店舗のメニューを「おいしい」と宣伝することは、市の魅力の一つであっても難しい。それが、市民なら可能になる。


沖ノ島などについて説明を受けるアンバサダーら


 活動は無償で、移動などの費用も自己負担だが、1月末までの投稿数は計209件、総フォロワー数は1万7194人に上り、視聴者からの「いいね」の数は9300を超えた。市はアンバサダー事務局の公式インスタグラムで投稿を広めている。12人を1期生と位置付け、来年度以降も増やしていきたい考えだ。


 担当する市秘書政策課の一番ヶ瀬拓也企画主査は「それぞれがいろいろな角度の視点で宗像を捉え、発信してもらうことで、一人でも多くの人に魅力を届けたい」と期待する。

「むなかたの子」も

 アンバサダーの一人、「むなかたの子」として活動する安部奈都美さん(24)。大学進学を機に宗像市から上京し、現在は都内で働きながら、ライブコミュニケーションアプリ「Pococha」で配信するライバーとして活動している。

 中学、高校時代から環境ボランティアや国際人材の養成プログラムに参加し、高校1年の時にパリのユネスコ本部で宗像の魅力についてスピーチした。宗像は「子どもだった私に、やりたいことをどんどんかなえさせてくれた場所」だ。


「むなかたの子」として発信する安部さん


 23年6月にTikTokとX(旧ツイッター)、12月にインスタグラムを始めた。インスタグラムの初回の投稿は、一番好きな場所というさつき松原の海岸から。反響は大きく、Pocochaのリスナーには、実際に宗像まで足を運んだ人もいるという。


 月に1、2回は帰郷し、月の半分を過ごすこともあるという安部さんは「東京にいるからこそ見える良さや魅力を伝えたい。いつか宗像に帰り、子どもたちが夢を持てる環境づくりをサポートしたい」と語る。


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