旦過市場をおいしく食べ歩き 北九州市と商店街がマップ製作

「旦過食べ歩きMAP」の表面(画像はいずれも北九州市提供)

記事 INDEX

  • 急回復する外国人客
  • 人気のグルメを紹介
  • 来店客の増加に一役

 「北九州の台所」といわれる北九州市小倉北区の旦過市場で、食べ歩きが楽しめるグルメを紹介するマップができました。市によると、「食べ歩き」に焦点を当てた旦過市場のマップが登場したのは初めて。大型連休前には観光案内所で“品切れ”になるほどの人気ぶりで、来街者のおいしいまち歩きに今後も活躍しそうです。

急回復する外国人客

 完成したのは「旦過食べ歩きMAP(マップ)」で、北九州市と旦過市場商店街でつくる製作委員会が手がけました。多言語に対応しています。

 コロナ禍を経て、外国人訪日客数は回復傾向にあります。市観光課によると、市内を2023年度に訪れた外国人観光客は速報値で約27万人と、22年度(約3万6000人)の7.5倍に。コロナ禍前(19年度で約55万6000人)の5割ほどにまで持ち直しています。


取扱商品やテイクアウト可能かどうかなどを示すアイコン

 そんな中、訪日客らの「買って、そのまま味わいたい」というニーズに応えようと、市と商店街が23年夏頃から協議。「食べ歩き」をテーマにしたマップを日本、英、韓国、中国(繁体字、簡体字)の5言語版で用意し、今年3月からウェブで公開を始めました。

 表面は、飲食や総菜といった食関連の店舗に生花なども加えた約100店を旦過市場の地図とともに掲載。扱う商品の種類やテイクアウトできるかどうかが一目で分かるように、独自のアイコンを添えています。


advertisement

人気のグルメを紹介


マップの裏面。食べ歩きできる品を扱う15店を紹介

 裏面では、約100店のうち商品を購入して食べ歩きができる15店を紹介。観光客に人気の食べ歩きグルメを販売していたり、「ホテルに持ち帰って食べたい」などという希望に対応する包装サービスを提供できたりする店から選んだそうです。

 三つのテーマに分けており、一つ目の「青空市場で食べよう」では、2年前に起きた大規模火災の跡地に設けられた「旦過青空市場」に店を構える7店を掲載。韓国料理の総菜店「Chan」や、名物「あわゆき」が人気の和菓子店「岩田屋餅菓子店」、手作りの練り物がそろう名店「蒲鉾(かまぼこ)やすの」などが並びます。


「青空市場で食べよう」では、岩田屋餅菓子店(左)や「蒲鉾やすの」を紹介(それぞれマップから抜粋)

 二つ目の「食べ歩きOK」では、天然本まぐろのトロステーキ串といった串物が人気の店「九州まぐろ」や、魚のすり身をパンで包んで揚げた小倉名物「カナッペ」を扱う「小倉かまぼこ」など3店を取り上げています。


「九州まぐろ」(左)と「あらまき」を紹介したマップの一部(抜粋)

 三つ目の「イートインもOK」の5店には、熱々のおでんがある「旦過うどん」や北九州名物の「かしわうどん」、刺身(さしみ)セットや海鮮丼が人気の「あらまき」などの情報を載せています。

来店客の増加に一役

 マップは、北九州市旦過市場商店街の各ホームページに掲載。市内の観光案内所や旦過市場、市役所内でも印刷物を配布しています。観光案内所で手に取る旅行者も多く、大型連休前には日本語版と繁体字版が一時、“品切れ”になったそうです。


繁体字版(左)や英語版も用意

 また、掲載された店からは「たくさんの外国人客がマップを手に来てくれた」と、反響を喜ぶ声も上がっているそうです。

 北九州市サービス産業政策課の担当者は「マップは見やすさを重視して作りました。インバウンドの方も国内の方も手にとって、旦過市場の食べ歩きをぜひ楽しんでほしい」と話しています。


advertisement

この記事をシェアする