小倉は福岡県内随一の焼き肉のまち!魅力発信へマップを作製

「小倉焼肉通り」をPRするマップの一部(画像はいずれも北九州市提供)

記事 INDEX

  • 人口比の店数が!
  • 老舗や新顔の17店
  • どうして多いの?

 北九州市小倉北区は、実は福岡県内トップの焼き肉どころ――。その魅力を広く伝えたいと、地元の民間団体や行政がタッグを組んで、同区中心部の焼き肉店を紹介する「小倉焼肉(やきにく)通りマップ」を発行しました。焼き肉は訪日客にも人気のため外国語版も用意し、関係者は「市内や市外、海外からもたくさんの人に訪れてほしい」と期待しています。

人口比の店数が!


マップに掲載されている「焼肉工房 憶」の料理

 「この辺りって、焼き肉店が多いよね――。そんな会話が発端でした」。北九州市商業・サービス産業政策課の熊丸雅也係長(44)は、マップ作製に至った経緯を明かします。


「東秀苑」の料理

 北九州DMO連絡会議や北九州市などの関係者が、地域の食の発信に向けて作戦を練る中、焼き肉店の多さが話題に。市が調べたところ、それを裏付けるデータがありました。



 小倉北区には焼き肉店が70店(2021年経済センサス活動調査)あり、福岡県内の72市区町村では、福岡市中央区の76店に次いで2位。ただ、人口比でみると、小倉北区(人口18万3407人=20年国勢調査)は1万人あたり3.82店と、中央区の3.70店を上回り県内トップです。


 焼き肉は老若男女に好まれるグルメで、訪日客にも人気。農林中央金庫(東京)が、日本への滞在歴がある外国人を対象に2023年3月に行った調査によると、「また日本に行ったら食べたいもの」で「ステーキ・焼肉」は「寿司(すし)」に次ぐ2位でした。

 こうした背景から23年12月、同DMOや市などは「小倉焼肉通り魅力発信委員会」を結成。「隠れた観光資源」である焼き肉を積極的にPRして、観光客らの呼び込みにもつなげようと、第1弾の取り組みとしてマップを完成させました。


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老舗や新顔の17店


完成した「小倉焼肉通りマップ」

 マップはA4両面の三つ折りサイズ。「小倉焼肉通り」と呼ばれる浅香通り周辺を中心に、約1キロの通りに並ぶ17店を紹介しています。


両面で計17店を掲載

 ホルモン鍋が名物の「焼肉の日活(にっかつ)」、モツと黒毛和牛のカルビ・ロースを使った鍋料理で知られる「三千里(みちり)」といった老舗はもちろん、近年開業した「七輪焼肉わらいば」(22年)、「肉縁(じゅうえん)」(23年)といったニューフェースも。「大邱(テグ)食堂」「チャングム」「韓国食堂オンママウム」など韓国系の店も掲載しています。


英語版(左)と韓国語版

 なお、マップは、日本語と、英、韓国、中国(簡体字・繁体字)の各言語に対応した計5種類があります。2月上旬~3月上旬に計1万7000部を発行。市・区役所や観光案内所、ホテルなど市内の約30か所で配り、市のホームページでも公開しています。

どうして多いの?

 ところで、小倉に焼き肉店が多いのはどうしてでしょう――?

 マップには、こうした疑問に応える“トリビア”も。店が立ち並んでいるのは、かつて近隣にあった炭鉱の労働者に英気を養う食事として愛されたため。衣料品店などが集まる小倉の中心部・魚町は家賃が高く、そこを囲むように焼き肉店が次々と営業を始めたといいます。


マップの一部。小倉焼肉通りの歴史も紹介している

 また、小倉にホルモン推しの店が多いのは、街の近くに食肉センターがあり、当日加工された新鮮なホルモンが店に届いていたことに由来するそうです。丸腸(牛の小腸を裏返したホルモンの一種)は北九州市が発祥地、という説も紹介しています。


マップに登場する「焼肉厨房 麗陽」(左)と「花たれ」の料理

 同委員会では、第2、第3弾と取り組みを続ける方針で、動画やSNSによる情報発信、“はしご焼き肉”を楽しんでもらうイベントなどを検討しているとのことです。

 市の熊丸係長は「これまでは焼き肉店同士の横のつながりがあまりなく、委員会で地域全体をPRして、市外への発信力を高めていきたい。個人的にも全店制覇を目指して各店を巡り、魅力をもっと伝えていきたいです」と意気込んでいます。


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