「第九」日本人初演から100年 九大フィルが9月に記念演奏会
ベートーベンの交響曲第9番(第九)を、九州大の学生らでつくる「九大フィルハーモニー・オーケストラ」(九大フィル)が日本人として初めて演奏してから、2024年で100年を迎えた。記念の特別演奏会が9月16日、福岡市中央区のアクロス福岡シンフォニーホールで開かれる。
「新編奉祝歌」として初披露
九大フィルは1909年に、九州帝国大学フィルハーモニー会として創立された。1924年1月26日、皇太子(後の昭和天皇)の結婚を祝う「音楽会」を福岡市で催した際、「第九」の第4楽章の一部に文部省が選定した奉祝歌の歌詞をつけ、「新編奉祝歌」として合唱付きで披露したのが、日本人初演とされる。
特別演奏会では、九州大客員教授で指揮者の鈴木優人さんのタクトで、「新編奉祝歌」が再演されるほか、メンデルスゾーンの「結婚行進曲」を演奏。「第九」の全曲演奏もある。合唱には公募で集まった市民ら約200人が参加する。
6月末、九州大・伊都キャンパス(福岡市西区)ではリハーサルが行われた。九大フィルのメンバーらは、指揮者の鈴木さんから「もう少し歯切れよく」などとアドバイスを受けながら、入念に音色などを確認していた。
9月16日にアクロス福岡で
実行委員長を務める同大大学院生物資源環境科学府の十島慎太朗さん(23)は、「この機会はとても幸運なこと。第九は難しい曲なので、演奏会まで日々練習を重ねていきたい」と話す。
九大フィルOBで、顧問を務める藤本望・九州大教授(62)は、「学生たちには、先輩たちがこれだけのことをやったことを誇りに演奏に臨んでほしい」と期待を込める。
開演は午後2時。チケットは、S席3000円など。問い合わせは、九大フィルへメールで。
また、同大伊都キャンパスのフジイギャラリーでは、当時の音楽会で用いられた奉祝歌の歌詞が書き込まれた楽譜(複製)などを展示している。8月4日まで。無料。